日韓防衛交流を再開へ | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎日韓防衛交流を再開へ…レーダー照射問題で再発防止策など確認見通し、近く防衛相会談

 

 

 日韓両政府は、韓国海軍艦艇による海上自衛隊機へのレーダー照射問題を受け、事実上中断してきた2国間の防衛交流を再開する方向で調整に入った。5月31日~6月2日にシンガポールで開かれるアジア安全保障会議に合わせて防衛相会談を開き、再発防止策などを確認し、閣僚ら政府高官や制服組幹部の相互訪問の推進で一致する見通しだ。
 韓国の 尹錫悦ユンソンニョル 政権が昨年3月、元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題の解決策を発表して以降、日韓間では政治・経済両分野で未来志向の関係改善が進む。防衛当局間の最大の懸案となってきたレーダー照射問題に区切りを付け、安保面でも関係正常化を図りたい考えだ。
 両政府は防衛相会談に合わせ、海自と韓国海軍が再発防止に向けた文書を交わすことも検討。海上衝突を避けるための国際基準「海上衝突回避規範(CUES)」を踏まえ、公海上の飛行・航行の自由や安全の確保、現場で接近した際の意思疎通の徹底――などについて合意する方向だ。
 レーダー照射問題を巡っては、韓国が照射の事実を否定し、海自機が韓国海軍の艦艇に異常接近したとして逆に日本を非難するなど、両国の主張は平行線をたどった。防衛当局間のハイレベル交流が途絶え、2国間の政策調整や危機管理への影響が懸念されていた。
 北朝鮮への対処では、日米韓3か国による安保協力が進む一方で、その土台となる日韓の連携強化も欠かせない。東アジアの安全保障環境が厳しさを増す中、地域の安定を保つという共通利益を持つ日韓の不和は、北朝鮮を利することになると判断した。両国は防衛交流の再開を機に、2国間の共同訓練など部隊間の信頼関係の再構築を急ぐ。
 今月下旬にはソウルで、日中韓首脳会談に合わせた日韓首脳会談の開催も調整されている。両政府は首脳レベルでも、安保協力推進の重要性を確認する方針だ。
 ◆ レーダー照射問題 =2018年12月、能登半島沖の日本海上で警戒監視中の海上自衛隊哨戒機が、攻撃目標に照準を合わせる火器管制レーダーを韓国海軍駆逐艦に照射されたとして、日本が韓国に抗議。事態収拾を目指す実務者協議でも韓国は照射を認めず、防衛省は19年1月、協議を打ち切った。