北朝鮮ミサイル総局、新誘導技術の戦術弾道ミサイルの試射 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎朝鮮ミサイル総局が新たな誘導技術を導入した戦術弾道ミサイルの試射を行う

 

 

【平壌5月18日発朝鮮中央通信】朝鮮民主主義人民共和国ミサイル総局は5月17日、朝鮮東海上で新たな自治誘導航法システムを導入した戦術弾道ミサイルの試射を行った。
 朝鮮労働党総書記で朝鮮民主主義人民共和国国務委員長である敬愛する金正恩同志が、兵器実験を参観した。
 当該の実験を通じて、自治誘導航法システムの正確性と信頼性が検証された。
 試射は、兵器システムの技術高度化を目指す朝鮮民主主義人民共和国ミサイル総局と管下国防科学研究所の定期的な活動の一環である。
 金正恩総書記は、自治誘導航法システムの独自的開発と成功裏の導入結果に内包している軍事戦略的価値に対して大きな満足の意を表し、大事な成果を収めるのに寄与した当該の国防科学技術集団を高く評価した。
 朴正天、金正植、張昌河、キム・ヨンファンの各氏が、同行した。---

 

 

 

 

 

◎北朝鮮が短距離弾道ミサイル発射、日本のEEZ内への飛来確認されず

 

 

[ソウル/東京 17日 ロイター] - 韓国軍は17日、北朝鮮が東岸の元山沖に短距離弾道ミサイルを複数発発射したと発表した。
 米韓は前日、ステルス戦闘機の戦闘を想定した合同訓練を実施している。
 韓国合同参謀本部はミサイル発射を挑発行為と非難。ミサイルが約300キロメートル飛行し、海に着弾したことを明らかにした。
 林芳正官房長官は午後の会見で、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射したとの韓国軍の発表は承知しているとした上で、「我が国の領域や排他的経済水域(EEZ)へのミサイルの飛来は確認されておらず、関係機関からの被害報告等の情報は確認されていない」と述べた。
 政府としては、引き続き米国・韓国などとも緊密に連携しつつ、必要な情報の収集、分析を行い警戒監視に全力を挙げる、とした。
 北朝鮮はここ数カ月、弾道ミサイル、巡航ミサイル、戦術ロケットを発射。防衛能力向上計画の一環だと説明している。国営メディアは北朝鮮軍が改良中の多連装ロケットシステムの試験を行っていると報じている。

 

◎金与正副部長の「対南用」脅迫後…北朝鮮、弾道ミサイル挑発

 

 

 北朝鮮が17日午後、東海(トンヘ、日本名・日本海)上に弾道ミサイルを発射した。先月22日に短距離弾道ミサイル(SRBM)の600ミリ超大型放射砲を発射してから25日ぶりの挑発で、今年に入って5回目。韓国軍の合同参謀本部はこの日、「午後3時10分ごろ北の元山(ウォンサン)一帯から東海上に発射された短距離弾道ミサイルと推定される数発の飛行体を捕捉した」と明らかにした。軍はミサイルの機種や飛行距離など諸元を分析している。
 この日の北朝鮮の挑発は、金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長が最近新しく改良および開発した武器は「対南用」と公言した後に断行された。金副部長はこの日午前、朝鮮中央通信を通じて談話を発表し「公開した放射砲やミサイルなどの戦術武器はただ一つの使命のために作られた」とし「それはソウルが無駄な考えをしないよう使用されるということを隠さない」と主張した。

 

◎北朝鮮、群山の在韓米軍狙いか…習近平・プーチンを背にした「金正恩の挑発」

 

 

 北朝鮮が17日の短距離弾道ミサイルの挑発について「新しい自治誘導航法体系を導入した戦術弾道ミサイルの試験射撃」と主張した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は現場でこれを参観して「大満足」を表し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射車両を生産する工場も訪れた。
 16日に中国北京で会った習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が「米国と同盟国の軍事的脅威」を韓半島(朝鮮半島)情勢悪化の原因として批判した中、露骨に韓米を同時に狙った武力示威をしたのだ。
 18日の朝鮮中央通信によると、北朝鮮ミサイル総局は前日に「東海(トンヘ、日本名・日本海)上で新しい自治誘導航法体系を導入した戦術弾道ミサイル試験射撃を進行した」と伝えた。また「該当試験を通じて自治誘導航法体系の正確性と信頼性が検証された」と主張した。
 これを見守った金正恩委員長は「自治誘導航法体系の独自開発と導入の成功という結果に内包されている軍事戦略的価値に大満足を表示した」と、朝鮮中央通信は伝えた。独自開発を強調したのは、関連技術をロシアなどから受けた可能性があるという指摘に反論するもとのみられる。
 これに先立ち韓国軍の合同参謀本部は17日午後3時10分ごろ、北朝鮮の元山(ウォンサン)一帯から東海上に発射された短距離弾道ミサイルと推定される飛行体を数発捕捉したと明らかにした。ミサイルは約300キロ飛行した後に東海上に落下した。
 北朝鮮が新しい誘導技術開発に成功したというのは、従来の戦術ミサイルの正確度を高める衛星利用測位システム(GPS)誘導装置部の性能を改良したという意味とみられる。
 軍はこうした主張に対して留保的な立場を表した。まだ技術的検証が完全に行われたとは見ていないという雰囲気だ。また軍は北朝鮮の主張に一部誇張があると把握している。
 ただ、北朝鮮が今回発射したミサイルが約300キロ飛行し、射程距離改善の側面で注目している。北朝鮮の従来の戦術誘導武器の射程距離が通常100キロ余りだった点を考慮すると、射程距離が大きく伸びたとみる余地があるからだ。
 これは、金委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長がミサイルを発射する直前の談話で、最近開発中の各種武器体系はロシア輸出のためでなく「ソウルが無駄な考えをしないように使用されるということを隠さない」と明らかにした点とも無関係でないとみられる。平壌(ピョンヤン)から韓国の陸・海・空軍本部がある鶏龍台(ケリョンデ)まで直線距離は約330キロ、全羅北道群山(クンサン)の在韓米第8戦闘飛行団までは約350キロであるからだ。今回の挑発が韓国の主要軍事施設を狙った可能性が提起される理由だ。
 金正恩委員長は同日、ICBMの火星18型発射車両を生産する国防工業企業所も訪問した。金委員長はこの企業所が「核戦争抑止力向上に突出した功績を立てた」とし「我々の核武力をより急速に強化するための重要な活動と生産活動を躊躇せず、引き続き加速させていかなければいけない」と強調した。また、生産活動を把握し、今年上半期の生産実績と年間軍需生産計画実行見通しに「大きな満足」を表示した。
 金委員長のこうした動きには、韓米日-朝中ロが対立する新冷戦構図の固着化に便乗して戦略的利益を拡大しようという意図があるとみられる。これに先立って開催された朝中首脳会談で両国は「北朝鮮との対決を深め、韓半島の武力紛争と緊張を高める米国とその同盟国による軍事的脅威行動に反対する」と明らかにしたが、これに呼応するように韓米を狙ったものであるからだ。
 統一研究院のホン・ミン研究委員は「朝中ロが共同の利害関係に基づき共同戦線を構築するように見せる意図があるとみられる。特に核兵器の持続的な開発を強調したのは、中ロも北朝鮮の核保有を支持するというような認識を広めようとするものだろう」と分析した。
 実際、北朝鮮は19日の労働新聞で、中ロ首脳会談を詳細に伝えた。特に中ロが「米国が緊張した軍事情勢を緩和させるための効果的な措置を取り、恐喝と制裁、圧力手段を捨てるよう強く要求した」と、共同声明の内容を紹介した。
 一方、北朝鮮羅先市(ラソンシ)人民委員会代表団はロシア極東沿海州訪問を終えて18日に列車で帰国したと、朝鮮中央通信が19日報じた。具体的な内容は公開されていないが、代表団が1週間の日程でロシアを訪問した中、旅客列車の運行再開など多様な協力案が議論された可能性が提起される。