リトアニア首相、ウクライナに人員派遣も | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎リトアニア首相、ウクライナに人員派遣も-部隊の訓練支援で

 

 

 リトアニアのシモニテ首相は31日、ウクライナでの部隊の訓練を支援するため人員を派遣する用意があると表明した。
 同首相はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「もし必要であれば、リトアニアはそうした意向のある国々と連携し、ウクライナで部隊の訓練もできるだろう」と述べた。

 

◎NATO加盟国のエストニア、ウクライナへの派兵を「真剣に」検討か

 

 

 エストニア政府はウクライナへの派兵を「真剣に」検討していると、エストニアの政府関係者がBreaking Defenseに語った。
派遣された兵士は前線には送られず、ウクライナ軍の非戦闘的な任務を代わりに担うことになるだろうと言う。
 エストニアには約4200人の現役兵がいて、さらに3万8000人の予備役がいる。
 エストニアの安全保障に詳しい政府関係者によると、エストニア政府はウクライナへの派兵 —— 前線からは離れた任務に就く —— を「真剣に」検討している。
 エストニアの大統領の国家安全保障顧問を務めるマディス・ロール(Madis Roll)氏は軍事ニュースサイト『Breaking Defense』に対し、エストニアの指導者たちは自国の兵士らを派遣し、ウクライナで直接戦闘を行わない「後方」任務に就く可能性を評価していると語った。
 こうした動きはウクライナの人員不足を緩和し、より多くの兵士を前線に送ることを可能にするだろう。
 そして、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であるエストニアは、同盟の主要メンバーとともに行動することを好むが、小規模のグループと行動をともにするという考えにも否定的ではないとロール氏は言う。
「あらゆる可能性に目を向けるべきだ。自分たちにできることを制限すべきではない」
 ロール氏のコメントをBreaking Defenseが報じた数日前には、エストニアはウクライナへの派兵について内部で話していたと国防軍司令官のマルティン・ヘレム(Martin Herem)陸軍大将がBreaking Defenseに語っていた。
 ただ、ヘレム陸軍大将によると、国内の政治的懸念から「真剣な議論」は行われていなかったという。
 エストニアは地理的にロシアに最も近いNATO加盟国のひとつで、東部の国境はロシアのプスコフ州やレニングラード州と接している。軍の大部分は予備役部隊に依存していて、約4200人の現役兵と3万8000人の予備役が軍事作戦に備えている。
 国防軍の公式サイトによると、予備役が追加されたことで、軍事訓練を受けたエストニア人の総数は人口130万人のうち約23万人となった。
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〇ウクライナへの派兵を検討するNATO加盟国
 エストニアは現在、NATO加盟国の間で高まる、ウクライナ軍を"兵員"で支援する可能性を示唆する"声"に加わっている。フランスのマクロン大統領はこうした戦略を繰り返し持ち出して、モスクワの怒りを買っている。
 バルト三国もこれに続いている。リトアニアのシモニーテ首相は5月8日、自分は訓練のためにウクライナに部隊を派遣する権限を議会から与えられているものの、ウクライナからそのような要請はまだないとフィナンシャル・タイムズに語った。
 NATOが"同盟"として戦地に軍隊を派遣するには加盟国の合意が必要だが、個々の国は自らの判断で自国の軍隊を派遣することができる。
 一方のロシアは、大規模なNATO軍がウクライナに駐留することは、大きなエスカレーションとみなされるだろうとし、定期的に"核戦争の脅威"を持ち出している。
 しかし、ウクライナが数カ月にわたって弾薬の供給不足に苦しみ、人員不足の影響も広がる中、ロシアによる侵攻は西ヨーロッパを怯えさせている。
 フィンランドやエストニアといったロシアの西側に隣接する国々は、ウクライナの敗北は自分たちがロシアの次の侵略の標的になることを意味すると警戒している。
 キール世界経済研究所の「ウクライナ支援トラッカー」によると、エストニアはウクライナに約6億4000万ドル(約996億円)相当の軍事、人道、資金援助を行っている。
 これはGDPの約1.6%に相当し、ウクライナを支援している他のどの国よりも多い。アメリカの援助額は610億ドルで、GDPの約0.2%相当だ。