◎プーチン大統領「核戦力は臨戦態勢」 対独戦勝式典で欧米威圧 軍事パレードの規模縮小続く

 

 

 ロシアは第二次世界大戦の対ドイツ戦勝記念日である9日、首都モスクワの「赤の広場」や各地で恒例の軍事パレードを行った。プーチン大統領はモスクワの式典で「何者にもロシアを脅かすことは許さない。わが戦略部隊(核戦力部隊)は常に臨戦態勢にある」と演説。ウクライナ侵略で対立する欧米諸国を威圧した。一方、パレードの規模は縮小傾向が続き、露軍の損耗を示唆した。
 プーチン氏は演説で「欧米のエリート」が世界の対立や紛争を激化させていると主張し、ウクライナ侵略を「ネオナチとの戦い」と改めて正当化した。侵略を対独戦と重ねて国民の愛国心を鼓舞し、支持拡大を図った。「(第二次大戦で)日本の侵略に立ち向かった中国国民の勇気に敬意を表す」とも述べ、近く訪問する中国との連帯を強調した。
 赤の広場でのパレードには9千人超の軍人と約70超の兵器が参加。戦闘車両や核搭載可能な短距離弾道ミサイル「イスカンデルM」、大陸間弾道ミサイル「ヤルス」などが登場した。
 ただ、参加した兵器の数は昨年より減少した。昨年は軍人約8千人と100超の兵器が参加。侵略開始直後の2022年は軍人約1万1千人と約130の兵器が、21年は軍人約1万2千人と約190の兵器が参加した。
 パレードには、旧ソ連圏からベラルーシのルカシェンコ大統領や中央アジア5カ国の首脳が出席した。一方、ロシアとの確執を深めているアルメニアのパシニャン首相は欠席。アゼルバイジャンのアリエフ大統領も国内行事を優先して欠席し、旧ソ連圏でのロシアの影響力低下を示唆した。

 

◎ロシア戦勝記念日 モスクワで記念式典 欧米各国の首脳出席せず

 

 

 ロシアでは9日が第2次世界大戦の戦勝記念日で、首都モスクワで記念式典が行われました。式典には、旧ソビエト諸国の首脳などが参列する一方で、欧米各国の首脳は出席せず、欧米との激しい対立など長期化するウクライナ侵攻を反映する内容となりました。
 ロシアでは9日、第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利してから79年の記念日となり、20以上の都市で軍事パレードなどが行われました。
 首都モスクワでは、日本時間の9日午後4時から中心部にある赤の広場で記念式典が行われました。
 雪もちらつく中で行われた式典でプーチン大統領が演説し「ロシアを脅かすことは許さない。われわれの戦略部隊はいつでも戦闘準備ができている」と述べ核戦力も含めてロシア軍の戦力に言及し欧米側を強くけん制しました。
 そして「国家と国民の、自由と安全な未来を確保できると確信している。ロシアのために。勝利のために。万歳」と述べ、ロシア軍のウクライナでの勝利に向けて国民に改めて結束を呼びかけました。
 このあと軍事パレードが行われ、短距離弾道ミサイル「イスカンデル」などウクライナの前線でも使われている兵器のほか、ロシア軍の核戦力の中枢を担っているICBM=大陸間弾道ミサイル「ヤルス」なども登場しました。
 一方、今回のパレードには、70以上の兵器や、軍事侵攻に加わる兵士を含む9000人以上が参加しましたがウクライナ侵攻前の2021年には、190以上の兵器と1万2000人以上が参加していて侵攻の後、その規模は縮小されています。
 式典には、ロシアと同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領など旧ソビエト諸国や、キューバやアフリカの一部の国の首脳などが参列する一方で欧米各国の首脳は出席せず、式典は欧米との激しい対立など長期化する軍事侵攻を反映する内容となりました。

 

◎ロシア軍事パレードの規模縮小続く 戦力損耗を示唆か、きょう対独戦勝記念式典

 

 

 ロシアは第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日とする9日、首都モスクワの「赤の広場」や国内各地で毎年恒例の軍事パレードを行う。モスクワでの式典ではプーチン大統領が演説する。ウクライナ侵略を対独戦と同じ「祖国防衛戦」だと位置付けるプーチン氏は、演説でも国民の愛国心に訴えかけ、侵略への支持拡大を図る見通しだ。ただ、侵略の開始後、パレードの規模は縮小傾向が続き、露軍の損耗も示唆している。
 露国防省の事前発表によると、政権側が最重要視する赤の広場でのパレードには今年、9千人超の軍人と戦闘車両など約70の地上兵器が参加。天候が良ければ航空機も上空を飛行する。
 赤の広場でのパレードに参加する地上兵器の数は昨年より減少する。昨年は約8千人の軍人と100超の兵器が参加した。侵略開始直後の2022年は約1万1千人の軍人と約130の兵器が、侵略前の21年は約1万2千人の軍人と約190の兵器が参加していた。
 パレードには、旧ソ連構成国からベラルーシのルカシェンコ大統領ら首脳が出席を予定。一方、ロシアとの確執を深めているアルメニアのパシニャン首相は「毎年参加する必要があるとは思わない」として欠席を表明した。アゼルバイジャンのアリエフ大統領も国内行事を優先して欠席を決めるなど、旧ソ連圏でのロシアの影響力低下を示唆した。
 旧ソ連圏外からはキューバとラオス、ギニアビサウの首脳が出席する予定だ。

 

 

ロシア、戦術核を含む軍事演習を初めて公表...プーチン大統領がウクライナに核を使う日は来るのか?|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)