◎「電力施設大規模攻撃は報復」 兵器産業弱体化狙いロシア大統領
ロシアのプーチン大統領は11日、ウクライナ5州の電力関係施設への攻撃はロシアの石油関連施設への連続攻撃に対する報復として必要だったと強調した。モスクワを訪問したベラルーシのルカシェンコ大統領との会談で述べた。
プーチン氏は、病院の運営などに支障が生じかねない電力施設への攻撃は「人道的観点から避けてきたが、対抗措置としてやむを得なかった」と説明。ウクライナの兵器産業の弱体化が目的だと正当化した。
ウクライナが提唱する和平案「平和の公式」を協議するスイスでの6月のハイレベル会合については「ロシア抜きの話し合いでは問題解決にならない」と指摘。「ろう人形館のようなものだ」とやゆした。ロシアは話し合いに応じる用意があるとも繰り返した。
ルカシェンコ氏は「ロシアの立場を全面的に支持する」と表明した。
ウクライナ各地には10日夜から11日朝にかけてミサイルや無人機による大規模攻撃があり、発電施設や変電所が破損した。首都郊外のキーウ(キエフ)州では同州最大の火力発電所が完全に破壊された。
◎プーチン氏「核戦争の準備はできている」…特異な世界観とロシアの核戦略 危ぶまれる「核軍縮」の期限
ロシアで核のボタンを握るのは大統領、国防相、軍参謀総長で、発射には少なくとも2人の合意が必要。全面核戦争では弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)、戦略爆撃機、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「核の3本柱」が主役になる。
ロシアが核戦力を信奉する背景には、1945年の米国による日本への原爆投下がある。
当時のソ連指導部は米国の核使用に衝撃を受け、4年後に長崎型をコピーした原爆の製造に成功した。