朝鮮ミサイル総局が新型中・長距離極超音速ミサイルの試射に成功 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎朝鮮ミサイル総局が新型中・長距離極超音速ミサイルの試射に成功

 

 

【平壌4月3日発朝鮮中央通信】最強の国家防衛力を全面的に打ち固めるための朝鮮労働党の構想と決心を透徹した信念と正確な実践で支えている国防科学者たちの献身的な闘いによって、朝鮮式の強力かつ威力ある絶対兵器が多発的に、連発的に誕生している主体的国防工業発展の最盛期に、もう一つの軍事戦略的価値を持つ新型中・長距離極超音速ミサイルの試射が成功裏に行われた。
 朝鮮労働党総書記で朝鮮民主主義人民共和国国務委員長である敬愛する金正恩同志が4月2日、新しく開発した極超音速滑空飛行戦闘部を装着した新型の中・長距離固体弾道ミサイル「火星砲―16ナ」型の初の試射を現地指導した。
 朝鮮労働党中央委員会の金正植副部長が、同行した。
 現地で、ミサイル総局長の張昌河大将と国防科学研究部門の指導幹部が、金正恩総書記を迎えた。
 試射は、新型中・長距離極超音速ミサイルの全般的な設計技術的特性を実証し、兵器システムの信頼性を検証するところに目的を置いた。
 新しいこの兵器システムの初の試射は、安全を考慮して射程を1000キロ限度内に限らせ、第2階段エンジンの始動遅延と能動区間での急激な軌道変更飛行方式で速度と高度を強制制限して極超音速滑空飛行戦闘部の滑空跳躍型飛行軌道特性と側面機動能力を実証する方法で行われた。
 祖国と人民の運命に対する崇高な責任感を抱いて絶対不変の意志と尽きない精力で先端兵器開発完成の無数の草分けの道を自ら切り開き、その絶え間ない飛躍的発展のための火線で限りない献身と労苦を費やしている金正恩総書記を再び試射場にいただいてわが国家の自衛権をしっかり守る威力ある先端兵器を見せることになった国防科学戦士たちの胸は、偉大な軍事強国の科学者となった限りない自負と非常に高い信念と戦闘的熱狂によって激しく沸き返っていた。
 敬愛する金正恩総書記は、発射陣地へ出向いて極超音速滑空飛行戦闘部を装着した新型の中・長距離固体弾道ミサイル「火星砲―16ナ」型を見て回り、兵器システムを具体的に確認した。
 続けて、金正恩総書記は指揮監視所に上がって新型中・長距離極超音速ミサイル試射の計画についての報告を受け、発射を行うことに関する命令を下達した。
 ミサイル総局長の張昌河大将が、試射を指揮した。
 発射号令が下されると、雷鳴のような爆音が天地を揺るがし、激しく噴き出された火柱が地面を熱しながら、わが共和国の軍事力を力強く誇示する先端ミサイルが発射された。
 平壌市郊外のある軍部隊の訓練場で東北方向へ発射されたミサイルから分離した極超音速滑空飛行戦闘部は、想定された飛行軌道に沿って1次頂点高度101.1キロ、2次頂点高度72.3キロを経て飛行し、射程1000キロ界線の朝鮮東海上の水域に正確に着弾した。
 試射は、周辺国家の安全にいかなる否定的影響も及ぼさなかった。
 試射を通じて、新しく開発した極超音速滑空飛行戦闘部の敏活で優れた機動特性がはっきり実証され、新型中・長距離極超音速ミサイルの重大な軍事戦略的価値が極悪な試験環境での検証を経て、とても有意義に評価された。
 敬愛する金正恩総書記は、試射の結果に大きな満足の意を表し、党中央の戦略的構想を実現するためのチュチェ兵器開発闘争に決死の覚悟で奮い立って尽きない忠義の念と愛国心を遺憾なく発揮することによって、党が与えた命令を最も立派で真実に、完璧(かんぺき)に貫徹した国防科学部門の活動家と科学者、技術者の功労を高く評価した。
 金正恩総書記は、わが国防科学技術力の絶対的優勢を誇示するもう一つの威力ある戦略攻撃兵器が生れた、これでわれわれは異なる射程の全ての戦術、作戦、戦略級のミサイルの固体燃料化、弾頭操縦化、核兵器化を完全無欠に実現することによって、全地球圏内の任意の敵の対象物に対しても「迅速に、正確に、強力に」という党中央のミサイル戦力建設の3大原則を立派に貫徹することになったと誇りに満ちて述べた。
 そして、今日の驚異的な成果はわが共和国武力の核戦争抑止力向上において大きな変化をもたらす特大出来事になると述べ、これはほぼ10年間にわたるわれわれの困難に満ちた国防科学研究闘争の貴い結実であり、わが党の自衛的国防建設路線の正当性の誇示であり、われわれの力と知恵、奮闘によって獲得した誉れ高い勝利であると力強く語った。
 金正恩総書記は、最近軍事同盟強化とさまざまな戦争演習により一層熱を上げ、拡大しながら、わが国家の安全を時々刻々威嚇している敵の反朝鮮軍事的対決行為について重大に指摘し、敵を抑止し、統制、管理できる圧倒的な力を養うのは現時期、わが国家に提起される最も差し迫った課題である、国防科学研究部門では最強の国家防衛力を絶えず向上させるべき歴史的義務をもっと忠実に果たして成功からさらなる成功を引き続き力強くもたらすべきであると述べた。
 金正恩総書記は、わが党は自衛的国防力を中断することなく、加速的に、より徹底的に備蓄することによって、国家の平安と繁栄と未来をしっかり守り抜くであろうと確言した。
 敬愛する金正恩総書記は、主体的国防工業の自立性と近代性を一層非常に向上させることによって、先端兵器開発闘争で継続的な飛躍をもたらし、革新を起こすことに関する戦略的課題を示した。
 金正恩総書記の大いなる信頼と戦闘的鼓舞を受けた全ての国防科学者は、党中央の指導に忠実に従ってチュチェ革命の兵器廠を一層しっかり打ち固めるための聖なる闘いに勇気百倍して献身、奮闘することによって、先端戦略・戦術兵器システムの連続的な成功の爆音で無敵の国家防衛力をしっかり強化していくという燃えるような決意に満ちていた。---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎北朝鮮、東海上に弾道ミサイル発射…極超音速エンジンを実験か

 

 

 北朝鮮が2日、東海(トンへ、日本名・日本海)沖に極超音速と推定される中長距離級弾道ミサイル(IRBM)を発射した。固体燃料エンジンの性能改良を実験した可能性が提起されている。北朝鮮ミサイルの射程距離が向上して奇襲発射が容易になり、韓米日の対応がより難しくなった。
 韓国合同参謀本部は2日、「午前6時53分、北朝鮮が平壌(ピョンヤン)から東海上に中距離級弾道ミサイル1発を発射したのを確認した」としながら「ミサイルは600キロ余りを飛行した後、東海沖に弾着した」と明らかにした。北朝鮮は火星(ファソン)12型など米国領グアムを打撃できる射程距離3000~5500キロ弾道ミサイルを「中長距離級」としているが、韓国軍はこれを中距離弾道ミサイルに分類している。
 合同参謀本部は弾道ミサイルの飛行距離・速度などを考慮すると、北朝鮮が極超音速ミサイルの固体燃料エンジン推進力実験した可能性に重点を置いている。特に今回は推進体(エンジン)の推進力性能が従来のものより向上している可能性がある。今回のミサイルは最高高度100キロ以内、飛行距離600~650キロと推定される。従来よりも同じ距離をさらに速いスピードで飛行し、推進体の1・2段目が分離するなど多段階エンジンの特性も確認された。それだけエンジンの力が強くなり、射程距離は大幅にのびた可能性がある。
 北朝鮮のIRBMミサイルはグアムが射程圏に入ってくる水準だが、多段階エンジンを装着すると射程距離をさらに伸ばすことができる。国防大学のクォン・ヨンス名誉教授は「北朝鮮が今回の発射でエンジンの2段分離を通じて速度を一層高めて極超音速基準であるマッハ5(6120キロ)をはるかに超える速度を出したかもしれない」としながら「実験に成功したとすると、今はグアムをターゲットとする中長距離ミサイルの射程距離がはるかに伸びる」と説明した。
 北朝鮮が今回実験したものが極超音速ミサイルで間違いないなら、一般弾道ミサイルのように上昇して下降した後、やや上昇(pop-up)しながら平滑起動(グライディング)をする軌跡だったものと推定される。平滑起動区間では高度30~70キロを飛行してマッハ5以上の速度を維持できてこそ極超音速ミサイルに分類される。
 韓国とグアムに配置された主要対空防御手段であるパトリオット迎撃ミサイルPAC3などが迎撃しにくい速度だ。
 この日、韓米日は今年に入って初めての3者空中訓練を実施した。韓国国防部はこの日、「韓米日は米国のB-52H戦略爆撃機が展開した中で済州(チェジュ)東南の韓日防空識別圏(ADIZ)重複区域一帯で空中訓練を実施した」と明らかにした。米軍からはB-52Hの他にもF-16戦闘機が参加し、韓国空軍のF-15K戦闘機、日本航空自衛隊のF-2戦闘機などが参加した。
 国防部関係者は「今回の訓練は高度化する北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する抑制と対応能力を向上させるためのもの」と説明した。

 

◎北朝鮮のミサイル等関連情報
 北朝鮮は本日6時52分頃、北朝鮮西岸から、少なくとも1発の弾道ミサイルを、北東方向に向けて発射しました。詳細については現在分析中ですが、発射された弾道ミサイルは、最高高度約100km程度で、約650km以上飛翔し、落下したのは朝鮮半島東の日本海であり、我が国の排他的経済水域(EEZ)外であると推定しています。

防衛省・自衛隊:北朝鮮のミサイル等関連情報 (mod.go.jp)

 

◎北朝鮮主張の飛距離・軌道変更は「誇張」 極超音速ミサイル=韓国軍

 

 

【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部は3日、北朝鮮が2日に発射実験を行った中長距離極超音速ミサイルの飛行距離と軌道変更について、「北が主張する飛行距離(1000キロ)はわが軍の分析と違いがあり、誇張されたとみている」として、「韓米日が分析した結果は約600キロ」と明らかにした。
 北朝鮮の朝鮮中央通信は3日、極超音速弾頭を搭載した固体燃料式の新型中長距離弾道ミサイルの初の発射実験に成功したと報じた。安全を考慮して射程を1000キロに制限し、変則軌道で飛行したという。
 合同参謀本部と北朝鮮が発表した飛行距離に約400キロの差があり、韓国軍のレーダーが軌道を変更しながら飛行する極超音速ミサイルを探知できなかったとの指摘が出ていた。
 合同参謀本部は北朝鮮が2段目エンジンの点火を遅らせ、2段目エンジンの燃焼中に飛行方向を変更したと主張したことに関しても、「わが軍の分析と違いがあり、誇張されたと分析している」と明らかにした。同本部関係者は「ミサイルが最高高度に達した後、水平移動して下降する軌跡だった」と説明した。
 合同参謀本部は「固体燃料式の新型極超音速ミサイルの初の発射実験で、開発初期段階のミサイルの飛行性能実験に重点を置いたとみられる」として、「一部技術に進展があったと評価できる」と分析。ただ、「極超音速ミサイルは米国、中国、ロシアなど(ミサイル分野の)先進国も開発中である高難度の技術が求められる」とし、「戦力化の時期の予断は難しいが、相当な期間がかかる」との見通しを示した。
 また、北朝鮮が開発中の固体燃料式弾道ミサイルについては、「短距離の固体燃料式弾道ミサイルは開発完了の段階にあるが、

極超音速と大陸間弾道ミサイル(ICBM)級は弾頭の熱防御、再突入能力などの検証が必要だ」と分析した。

 

◎北朝鮮「すべてのミサイルの核兵器化・固体燃料実現」 韓国軍「一部は誇張」

 

 

 北朝鮮が新型中長距離極超音速ミサイルを試験発射した後、「すべてのミサイルの核兵器化を完全無欠に実現した」と主張したことに対し、韓国軍当局が「誇張された部分がある」と反論した。固体燃料で中長距離極超音速ミサイルを初めて発射するなど技術的に一部進展はあったが、急激な軌道変更のような高難易度性能は達成していないという趣旨だ。
 北朝鮮朝鮮中央通信は3日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「新しく開発した極超音速滑空飛行戦闘部(弾頭)を装着した新型の中長距離固体弾道ミサイル『火星砲-16ナ型』の初の試験発射を前日に現地指導した」と伝えた。金委員長は今回の試験発射について「わが国防科学技術力の絶対的優勢を誇示するもう一つの威力的な戦略攻撃武器が生まれた」とし「これで我々は各種射程距離のすべての戦術、作戦、戦略級ミサイルの固体燃料化、弾頭操縦化、核兵器化を完全無欠に実現した」と宣言した。
 戦術・作戦級短距離弾道ミサイル(SRBM)KN-23・24・25、戦略級大陸間弾道ミサイル(ICBM)の火星18型などに続き、中長距離級極超音速ミサイルにも従来の液体燃料の代わりに固体燃料を投入し、核弾頭カートリッジ「火山-31」型を搭載することが可能になったということだ。火星砲-16ナ型の射程距離が中距離弾道ミサイル(IRBM、3000-5500キロ)級なら理論的にグアムのほかアラスカも狙うことができる戦略級ミサイルに該当する。さらに固体燃料まで適用されれば燃料を入れたまま長期保管が可能で、地下施設に隠しておいて有事の際すぐに取り出して発射することができる。
 しかし韓国軍の合同参謀本部はこの日午後、「北の発表は誇張されている」と主張した。初歩段階の技術水準達成を完成型のように表現して脅威を誇張しているという趣旨だ。通常、極超音速ミサイルの「極超音速」とは、滑空体が推進体から分離した後マッハ5(6120キロ)以上の速度で滑降する方式をいう。特に滑降段階でこうした速度で何度かプルアップ機動をしたり左右にも方向を変えることができ、防御する側としては恐怖の対象となる。
 北朝鮮はこの日、「射程距離を1000キロ限度内に限定して2段階発動機(エンジン)の始動遅延と能動区間での急激な軌道変更飛行方式で速度と高度を強制制限しながら極超音速滑空飛行戦闘部の滑空跳躍型飛行軌道特性と側面機動能力を確証する方法で進めた」と主張した。