◎金正恩総書記が第105戦車師団の指揮部と直属第1戦車装甲歩兵連隊を視察

 

 

【平壌3月25日発朝鮮中央通信】朝鮮労働党総書記で朝鮮民主主義人民共和国国務委員長である敬愛する金正恩同志が3月24日、朝鮮人民軍近衛ソウル柳京守第105戦車師団の指揮部と直属第1戦車装甲歩兵連隊を視察した。
 朝鮮労働党中央委員会の書記である党中央軍事委員会の朴正天副委員長、朝鮮民主主義人民共和国の強純男国防相、朝鮮人民軍の李永吉総参謀長が同行した。
 不世出の偉人たちの指導によって忠誠と偉勲の歴史だけを記す無敵の機甲隊伍に成長した近衛部隊には、偉大な金正恩同志を首班とする党中央委員会を政治的・思想的に、生命を賭して守るという確たる領袖決死擁護精神と不屈の祖国決死守護精神が溶岩のように激しく沸き返っていた。
 敬愛する金正恩総書記が師団の指揮部に到着すると、全ての将兵は卓越した思想と指導、精力的な献身でわが軍隊を不敗の最精鋭革命強兵に強化し、発展させ、百戦百勝の道へ力強く導く鋼鉄の総帥を仰いで熱烈な「万歳!」の歓呼の声を上げた。
 金正恩総書記は、第105戦車師団長の迎接報告を受け、師団と管下連合部隊の軍旗と指揮官隊列を査閲した。
 金正恩総書記に、全ての師団将兵の限りない敬慕と感謝の念を込めて軍人たちが芳しい花束を差し上げた。
 敬愛する金正恩総書記は、師団指揮官らに案内されて革命事績館を見て回った。
 金日成主席の直接的な発起と細心な配慮によって1948年8月、わが革命武力の初の戦車部隊として組織され、鋼鉄の精鋭師団として名声を馳せてきた部隊には、不世出の偉人たちの不滅の指導事績と戦闘的偉勲が数多く記されている。
 主席の懐で勇猛な自主的近衛兵の大部隊として誕生した師団は、過去の祖国解放戦争の時期、真っ先にソウルに突入してかいらい中央庁に共和国旗をはためかせ、数多くの戦闘で赫々たる武勲を立てて自分の輝く名に近衛、ソウル称号を記し、1960年代には赤旗中隊運動の初ののろしを掲げた大衆運動の故郷部隊に、1980年代には金星親衛部隊に、新世紀には全軍の先頭に立って呉仲洽第7連隊の旗を高く翻して祖国防衛の誇るべき軍功を立ててきた。
 金正恩総書記は、神聖で誇り高い部隊の発展道程にささげてきた金日成主席と金正日国防委員長の不滅の献身と労苦が歴々と宿っている貴重な事績資料を見ながら、勝利と栄光に輝く無敵の機甲隊伍として忠誠の道を歩んできた近衛戦車部隊の誇るに足る道程を感慨深く回顧した。
 金正恩総書記は、近衛ソウル柳京守第105戦車師団の歴史の中には、革命の峻厳な各年代記に党と領袖を生命を賭して防衛した栄光に輝く領袖決死擁護の闘争伝統と無数の戦闘偉勲が記録されているとし、近衛部隊の忠実性の高貴な伝統、偉大な勝利の伝統が今日も、明日も永遠に代を継いで継承されなければならないと述べた。
 そして、軍人の中で思想教育を着実に行って彼らが主席と国防委員長の指導の足跡がありありと残っている栄光の部隊で軍隊に服する大きな誇りと自負を抱いて、戦争準備の完成と戦闘力強化の誇らしい成果で主席と国防委員長の不滅の業績をしっかり守り、一層輝かせていくようにすべきだと述べた。
 敬愛する金正恩総書記は、師団長から師団の攻撃および防御作戦計画に対する報告を聴取した後、戦闘文書を検討しながら師団管下連合部隊の作戦戦闘任務と戦闘訓練方向を示した。
 金正恩総書記は、戦争準備完成のための訓練熱風が強く巻き起こっている今日の闘いでも、わが軍隊の英雄主義と勇敢さの象徴部隊である第105戦車師団が全軍のモデルらしく旗印を高く掲げていかなければならないと述べ、戦車兵を圧倒的な思想・精神力でより徹底的に武装させ、軍事技術的に、肉体的にしっかり鍛え上げ、戦闘技術機材の経常的な動員態勢を抜かりなく整える問題をはじめ、部隊の戦いの準備と戦闘力を全面的に強化するうえで指針となる綱領的な課題を示した。
 敬愛する金正恩総書記は、軍人会館で師団芸能宣伝隊の公演を鑑賞した。
 芸術宣伝隊員は、革命的で気迫溢れる公演を通じて党に限りなく忠実な英雄的朝鮮人民軍の高い思想・精神世界と勇敢な気質を余すところなく誇示し、金正恩総書記の指導に従って祖国の限りない繁栄と人民の安泰のために力強く戦うという鉄石の信念と意志を感銘深く見せた。
 敬愛する金正恩総書記は、師団の全ての将兵が戦火の火線戦車兵が発揮した不屈の戦闘精神をそのまま受け継いで、こんにちの祖国死守戦、革命防衛戦でも近衛部隊の気概をより強く発揮するものとの期待と確信を表明し、指揮部の将兵と共に記念写真を撮った。
 金正恩総書記と共に意義深い記念写真を撮った将兵は、大いなる愛と信頼を施して革命軍隊の無敵必勝の気概を百倍にしてくれた偉大な総帥を仰いで忠誠と報いの誓いを立て、嵐のような「万歳!」の歓呼と「金正恩」「決死擁護」のスローガンを力強く叫んだ。
 敬愛する金正恩総書記は、近衛ソウル柳京守第105戦車師団直属第1戦車装甲歩兵連隊を視察した。
 敬愛する金正恩総書記が部隊に到着すると、無上の光栄と幸福に浴した限りない感激と歓びに満ちて将兵が叫ぶ「万歳!」の歓呼の声が天地を震撼させて力強く響き渡った。
 第1戦車装甲歩兵連隊長が、迎接報告を行った。
 金正恩総書記は、最近行われた朝鮮人民軍戦車兵大連合部隊間の対抗訓練競技で高い評価を受けた連隊の戦車兵たちと再び会って温かく鼓舞、激励した。
 敬愛する金正恩総書記は、連隊指揮部の庁舎で連隊指揮メンバーと談話し、区分隊の兵室を見て回った。
 敬愛する金正恩総書記は、連隊訓練場で戦車兵の障害物克服および高速突破訓練を指導した。
 訓練が始まると、一斉に突撃に進入した戦車は重々しい胴体を機動的に動かせながら、強固な防御界線を一気に克服するとともに、チュチェ戦法と敵撃滅の意志で満装填した勇敢な戦車兵の巧みな攻撃能力と堂々たる自信をはっきり誇示した。
 金正恩総書記は、訓練に参加した戦車兵がいかなる戦闘任務も遂行できる「一当百」の万能乗組にしっかり準備されていると述べて、とても満足した。
 敬愛する金正恩総書記は、訓練に参加した戦車兵と連隊軍人と共に意義深い記念写真を撮った。
 敬愛する金正恩総書記は、区分隊の食堂を見て回りながら、軍人の生活に肉親の気持ちで温かく気を配った。
 金正恩総書記は、軍人が食事をする様子を満足げに眺めながら、指揮官が軍人の食生活をより改善するためにいつも深い関心を払い、肉と野菜をはじめいろいろな副食物を適時に日常的に保障し、兵士らに立派な生活条件を整えてやるために真心を尽くして努力しなければならないと頼んだ。
 師団の全ての将兵は、自ら部隊を訪ねてきて温かく鼓舞、激励し、限りない愛と信頼を施して、誉れ高い栄光の絶頂に立たせてくれた金正恩総書記への限りない感謝の念で激情を禁じえず、戦火の英雄戦車部隊の伝統を変わることなく継承して党中央の命令に絶対忠誠、絶対服従する不敗の戦闘隊伍に、今後の激戦場でも勝利の進撃路を先頭に立って開いていく真のつわものにしっかり準備していくという誓いを立てた。---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎「領土完整」発言の金正恩、またタンク部隊訪問…通常戦力でソウル占領を描く(1)

 

 

 

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が11日ぶりにタンク部隊を訪問し、軍事現場活動を続けた。昨年末から「南朝鮮領土完整」など全面戦争を敢行することもあるという趣旨の「言葉爆弾」を浴びせ、これを現実化する手段として通常戦力の強化にも注力する姿だ。
 朝鮮中央通信は25日、金正恩委員長が前日(24日)に朝鮮人民軍近衛近衛ソウル柳京洙(リュ・ギョンス)第105タンク師団と傘下の第1タンク装甲歩兵連隊を視察した、と報じた。この師団の名称に「近衛」「ソウル」が付いた理由について「祖国解放戦争(朝鮮戦争)当時に真っ先にソウルに突入し、傀儡中央庁に共和国の旗を掲げ、多くの戦闘で輝かしい武勲を立てたため」と説明した。

◆金委員長、「戦争準備」中の軍人に豊富な食事で忠誠心鼓吹
 また朝鮮中央通信は、金正恩委員長がこの日、自らこれら部隊の訓練を指導しながら「部隊の戦いの準備と戦闘力を強化する綱領的な課題を提示した」と明らかにした。
 軍内外では今回の視察をめぐり、金委員長が全面戦争を想定して軍の内部結束を狙っているという見方が出ている。この師団は、金委員長が13日に現地指導した「朝鮮人民軍タンク兵大連合部隊間対抗訓練競技」で優勝した部隊だ。
 北朝鮮メディアが公開した写真を見ると、金委員長は部隊の食堂も視察したが、ここでは北朝鮮軍が米飯や肉のおかずなど豊富な食事をする場面があった。餓死者まで出ている経済難状況の中でも「戦争準備」に優秀な成果を出した部隊を特別に祝うことで、軍内部の忠誠心を鼓吹するものとみられる。

◆核・ミサイルだけでなく、通常戦力を積極的に取り入れた「戦争シナリオ」
 しばらく核・ミサイル戦力高度化に没頭していた金委員長がこのように最近になって通常戦力の重要性を強調しているのは注目すべき点だ。
 金委員長は6日に西部地区重要作戦訓練基地、7日に大連合部隊砲射撃訓練、13日にタンク兵大連合部隊間対抗訓練競技、15日に航空陸戦兵部隊、18日に超大型放射砲射撃訓練、19日に極超音速ミサイル固体燃料地上燃焼試験などの現場を訪れた。今回の視察を含めると軍事現場訪問は18日間で7回にのぼる。
 韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ事務局長は「金正恩委員長がミサイル発射のほか、実際の兵力投入を念頭に置いた一種の戦争シナリオまたはストーリーテリングを書いているとみられる」と評価した。
 実際、一連の現場視察にはそれぞれ意味が込められていると分析される。西部地区重要作戦訓練基地訓練は特殊部隊の監視哨所(GP)襲撃を、砲射撃訓練は首都圏に対する長射程砲攻撃を示唆する。続いてタンク兵と空輸部隊でソウル占領と後方浸透を敢行し、超大型放射砲で韓国軍事施設を打撃する構想をしているとみられる。さらに迎撃が難しい固体燃料極超音速ミサイルで太平洋の主要米軍基地の増援戦力を遮断しようとする意図も見える。
 韓国国防研究院(KIDA)安保戦略センターのイ・ジュング研究員は「北が金正恩委員長の指示に基づき『北朝鮮式核戦争遂行計画』を具体的に立てておいて、これを訓練・点検するとみられる」とし「有事の際、通常陸軍、歩兵部隊の訓練も重要だと考えているようだ」と話した。

 

◆タンクにもロシア技術か…軍が注視
 こうした脈絡から、「有事の際、核武力を含むあらゆる手段と力量を動員し、南朝鮮の全領土を平定するための準備に拍車を加えるべき」という金正恩委員長の発言(昨年12月26-30日の労働党中央委員会全員会議)が改めて注目されている。南北関係を「戦争中の2つの交戦国家関係」と規定し、金正恩委員長が自ら「領土完整」意志を表明したのはこの時が初めてだった。
 その後、金委員長は1月の最高人民会議の施政演説で、憲法に主権行使領域を正確に規定すべきだと指摘した。統一研究院のホン・ミン研究委員は「南北関係において敵対的な2国家関係、民族関係の断絶、国境線の再設定などを憲法に反映するための事前整地作業を対内外的にしている」と話した。
 北朝鮮は23日、祖国統一民主主義戦線中央委員会会議を開き、「南北関係が同族関係、同質関係でなく敵対的な2つの国家関係、戦争中の2つの交戦国関係として完全に固着した現実で、全民族的な統一戦線組織の祖国統一民主主義戦線中央委員会はこれ以上存在する必要がない」とし、正式解体を決定した。
 軍内部では金委員長の通常戦力強調基調には朝ロ軍事協力が影響を及ぼしたという見方もある。具体的に金委員長が13日の現場視察で直接運転した新型タンクにはロシアの技術が伝授された可能性が言及されている。当時、金委員長は「わが軍隊が世界で最も威力あるタンクを装備することになるのは大きな自負になる」と述べた。
 このタンクは2020年10月の労働党創建75周年記念閲兵式(軍事パレード)で初めて公開された当時に比べ、外部の全面装甲が改良され、実戦配備されたと推定される。申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官も1月、「先端戦力といえる航空機、そして地上武器の中では戦車に関連するロシアの複数の新技術が北に提供されている可能性がある」と述べた。ロシアの立場でも衛星と核・ミサイル技術より通常戦力に関連する技術の伝授の方が負担は少ないとみられる。