◎ウクライナ、2000キロの防衛線構築を急ぐ-「ペースは良好」と大統領
弾薬が不足し、ロシア軍の攻勢に押されているウクライナは、2000キロに及ぶ防衛線の構築を急いでいる。ゼレンスキー大統領が明らかにした。
シュミハリ首相の報告を受けた後でゼレンスキー氏は11日、三層から成る防衛線の「速やかな完了」を期待していると、テレグラムに投稿。「膨大な任務だが、これまでのペースは良好だ」と続けた。
この取り組みは、3年目に入った戦争の勢いの変化を物語る。ロシア軍が前進する一方で、ウクライナ軍は弾薬の在庫が縮小し、西側が供給した兵器を駆使した昨年の反転攻勢も実を結ばなかった。
英国防省は10日、「竜の歯」と呼ばれる対戦車障害物や溝、塹壕、地雷原などでウクライナが防御を強化するのは「ほぼ確実」だと指摘。「現在攻勢に出ているロシアの進軍や局地的勝利を利用する能力が、防衛線の拡大で弱められる公算は大きい」とX(旧ツイッター)に投稿した防衛最新情報で論じた。
ゼレンスキー氏はまた、フランス軍がウクライナに展開し、戦闘に参加する必要性を否定した。
Xで公表されたフランスのBFMテレビとのインタビュー抜粋によると、同氏は「ウクライナが持ちこたえる限り、フランス軍はフランス領内にとどまるだろう」と語った。
ただ、ロシアが北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一つを侵略すれば、フランス兵はNATO域内の戦闘に加わる可能性があるだろうと警告。このシナリオは「別の問題」だとし、NATO加盟国が共同で決定する問題だと指摘した。
マクロン仏大統領はウクライナ派兵の可能性を問う質問に、「どのような可能性も排除されない」と答え、一部のNATO加盟国の反発を招いていた。