◎米軍制服組トップ、艦船修理で日米協力に期待感 首脳会談の議題にも

 

 

 米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長は28日、米軍の艦船を日本で修理するための協力の拡大に期待感を示した。米政府内では、中国の海洋進出に対抗するため、日本の造船所で米艦船の大規模修繕を行えるようにすべきだとの声が出ており、日米間で協議が進む。4月10日にワシントンで開かれる日米首脳会談でも議題となるとみられる。
 防衛担当記者との懇談会で語った。ブラウン氏は、日本を含む同盟国について「優れた造船能力を持っている」と述べ、安全保障上も重要な産業基盤である造船業において、米国と日本などとの協力の重要性に言及した。米造船業は人手不足などの問題を抱え、米艦船の造船計画に遅れが出ている。海軍力を増強する中国に対し、米軍は危機感を強めていた。デル・トロ米海軍長官は2月、日本と韓国を訪れ、三菱重工の幹部らと会談。日韓に対し、米国の造船業への投資を呼びかけていた。

◎「日本の民間企業、米軍艦の補修」...来月の日米首脳会談で協議

 

 

 日本の民間企業が在日米海軍艦船の大規模な補修ができるよう日米両政府が調整を始めた。日本の岸田文雄首相は来月、ジョー・バイデン米大統領に会ってこのような事案について協議する予定だと、9日に「共同通信」が報じた。
 補修対象は米海軍第7艦隊所属の艦船となる。第7艦隊は朝鮮半島周辺の海域を含む西太平洋を管轄し、横須賀を母港としている。
 防衛省によると、民間企業はこれまで輸送艦など直接戦闘に参加しない米海軍の艦船を補修しており、第7艦隊の艦船は定期的な大規模補修のためにその都度米国本土に戻っていた。
 しかし、今後は駆逐艦などの戦闘艦も補修対象として、整備と分解修理など補修作業の範囲も拡大する計画だ。この協議が一段落すれば、米国としては補修費用を節約し、艦船の運用停止期間も短縮できるようになる。日本政府にとっても自国企業が日本国内の造船所で作業すれば、経済的な効果が得られるものと期待している。
 しかし、米国側では補修作業が減少して、自国内の雇用が減少するという懸念もあるだけに、両国の国防当局間で協議を行う計画だ。
 木原稔防衛相は昨年10月の訪米時に行った演説で、米艦船の整備・補修・分解修理で両国が協力を拡大する必要があると言及した。
「共同通信」は、このような計画が「中国をにらんだ日米の抑止力向上を図っているが、その一方で日米の一体化の進展が中国や北朝鮮を刺激し緊張を招く恐れもある」と分析した。