ロシア依存からの脱却を図るインドの防衛産業 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎「フランカー」を国内部品でアップグレード! ロシア依存からの脱却を図るインドの防衛産業

 

 

〇アビオニクスとレーダーシステムが国内仕様に?
 インドの経済ニュース「エコノミック・タイムズ」は2024年2月20日、航空機製造会社であるヒンドゥスタン・エアロノーティクス・リミテッド(HAL)が国防省の承認を受け、空軍の保有するSu-30MKI「フランカーH」のアップグレードを開始する方針であると報じました。
 これはインド空軍が同機を運用して以来、初めての大型アップグレードとなるようです。現地の報道によるとアップグレードを施す機体は90機。
 同機の原型であるSu-30はロシアのスホーイ製ですが、この改修によりアビオニクスとレーダーシステムがインド国内製になる見通しです。これが第1段階となり、第2段階では飛行制御システムの強化が行われるようですが、ここでも可能な限り国内の部品が使われるようです。
 インドのモディ政権は、兵器の輸入依存からの脱却を目指しており、今回のアップグレードでの国内部品使用もその狙いの一環と思われます。
 同国のラージナート・シン国防相は2月24日に行われた「ファーストポスト国防サミット2024」終了後、公式X(旧Twitter)で「年間2万ルピーにも満たなかった防衛装備品の輸出額は、現在では約10億ルピーに上っている。かつて我が国は世界最大の武器輸入国だったが、現在では武器輸出国の上位25位に入っている」と防衛産業で頭角を現しつつある点を強調し、さらなる資金投入も示唆していたことから、この流れはさらに加速すると思われます。【了】