◎ロシア、新型戦車を失うのが怖い? 英「戦場に現れず」と分析
ロシアによるウクライナ侵攻から2年以上が経過する中、ロシアの最新鋭戦車である「T―14」(アルマータ)が実戦投入されていないとの分析を英国防省が明らかにした。破壊された場合の威信低下を恐れているとみられる。
アルマータは、乗員の安全性を高めた無人砲塔や高性能レーダー装置を備えた戦車。英国防省は3月20日の公式X(ツイッター)で、この戦車について、ウクライナの戦場には配備されていないことが「確認された」と指摘した。その理由として、ロシア軍は戦車喪失によって「評判に傷がつく」事態を懸念していると分析した。動画も投稿し、字幕で「アルマータはどこ?」と問いかけた。
タス通信によると、メドベージェフ前露大統領は2月、アルマータについて「新しい戦車であり、まだ十分にテストされていない。安価な戦車ではない」と述べ、実戦に使用していないことを示唆した。
アルマータはロシアの軍事パレードなどには度々登場している。【ロンドン篠田航一】
◎「まだパレード専用!?」ロシア最新T-14「アルマータ」戦車 ウクライナ投入への問題点をメドベージェフ前大統領が明かす
〇メドベージェフ氏「まだ十分にテストされていない」
ロシアの前大統領で現在は安全保障会議副議長のドミトリー・メドベージェフ氏は2024年2月22日、同国の最新鋭主力戦車T-14「アルマータ」の現状について明かしました。
これは、ロシアの国営メディアであるRIAノーボスチに語った内容で、メドベージェフ氏はロシア陸軍がT-14「アルマータ」を装備する可能性について問われ、「『アルマータ』は新しい戦車であり、まだ十分にテストされていない。パレードでのデモンストレーションと戦場での運用は全く異なるものだ」と答えました。
T-14「アルマータ」については、2023年4月25日、RIAノーボスチがロシア軍関係者の話として、ウクライナとの戦闘に投入されたと報じました。7月19日には、同じくロシア国営メディアであるタス通信が、「T-14『アルマータ』が戦闘に参加したが、現在は前線から撤退していると」と報じました。
前線からの撤退後、同戦車には実戦データを取り入れた改修計画があるともいわれています。メドベージェフ氏は「『アルマータ』は安価な戦車ではない」とも話しており、実戦の本格投入には慎重な様子がうかがえます。【了】