韓国、兵役人口減少で北朝鮮問題にも大きな影 | すずくるのお国のまもり

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◎韓国、未曽有の「超少子化」止まらず 兵役人口減少で北朝鮮問題にも大きな影

 

 

【ソウル=時吉達也】韓国統計庁が28日に発表した人口動向調査で、世界でも類を見ない「超少子化」がさらに進んでいる実態が明らかになった。北朝鮮との対立が強まる中、兵役人口の減少は国防問題にも大きな影を落としそうだ。
「『0・55』が気にならないといえば噓になる」。28日の呉世勲(オ・セフン)ソウル市長の会見では、同市の2023年の合計特殊出生率が過去最低の0・55を記録したことへの質問が相次いだ。呉氏の口は重く、「最善の努力を傾けている」などと繰り返すのにとどまった。
 国家が人口を維持するには、2・06~2・07が必要とされる。ソウル市が直面する「0・5」は、単純計算で男女4人から子供1人が生まれ、孫世代では人口が16分の1に減少することを意味する。「14世紀にペストが欧州にもたらした人口減少をしのぐ」。米紙ニューヨーク・タイムズは昨年12月、韓国の現状を中世の疫病になぞらえるコラムを掲載した。
 出産をためらう要因について、韓国ギャラップの世論調査では「教育費用の負担」が58%で最も高く、「雇用不安」(44%)や「住居費用」(22%)など主に経済問題を訴える意見が続いた。与野党は4月の総選挙を控え、育休中の給付拡大や新婚夫婦への融資制度創設などを公約に掲げる。
 しかし、厳しい学歴社会では幼児教育の無償化で負担軽減を図っても、余った資金は学校外教育費用に振り向けられる。人口学者は「ソウルのマンションに住み名門大を出て大企業に就職するのが幸せ、という価値観からの脱却が図られなければ、どれだけ公費を投入しても競争を過熱させるだけだ」と指摘する。
 北朝鮮が韓国との統一政策の放棄を宣言し緊張が高まる中、今後も少子化に歯止めがかからなければ、国防政策の見直しも余儀なくされる。政府の推計では、兵役の中心となる20歳の男性は20年の33万4000人から、40年には15万5000人に半減する見通しだ。