◎アウディイウカ近郊も撤退 ロシア軍が「戦場で主導権」―ウクライナ
【ベルリン時事】ウクライナ軍報道官は27日、東部ドネツク州で今月陥落したアウディイウカ近郊の2集落から部隊が引き揚げたと明かした。ウクライナメディアが伝えた。前日も別の集落から撤退したといい、ウクライナ軍は立て直しを急いでいる。前線で指揮を執るタルナフスキー司令官は27日、これら3集落の後方地点を挙げて、「防衛線は安定している」と主張した。
攻勢を強めるロシア側は、アウディイウカ周辺で、米国がウクライナに供与した主力戦車「エイブラムス」1両を破壊したとしている。国営タス通信が26日、ロシア当局者の話として伝えた。
米シンクタンク戦争研究所は26日の報告で「ロシア軍が戦場一帯で主導権を取り返している」と指摘した。
◎ロシアがウクライナ東部の村制圧、攻略したアウディーイウカ拠点に支配地域の拡大図る
ロシア国防省は26日、ウクライナ東部ドネツク州アウディーイウカの西約2キロ・メートルにある村ラストチキネを制圧したと発表した。今月17日に攻略したアウディーイウカを拠点に支配地域の拡大を図っている模様だ。
ロイター通信によると、ウクライナ軍報道官も26日、ラストチキネから兵士を撤退させたと発表した。西方に新たな防衛線を再構築し、露軍の前進を阻むとしている。
一方、タス通信によると、露南西部ベルゴロド州知事は26日、同州の村でウクライナ軍の無人機が自動車に命中し、市民3人が死亡したとSNSで発表した。ウクライナ軍はベルゴロドへの無人機攻撃を繰り返している。
◎ロシア政府、アブデーフカとドネツクで軍が攻勢強化と発表
[モスクワ 25日 ロイター] - 丸2年を迎えたロシアによるウクライナ侵攻を巡り、ロシア政府は25日、プーチン大統領が軍にウクライナへの一層の進撃を命じたことを受けて、東部の要衝アブデーフカとドネツクでロシア軍が一段と攻勢を強めたと発表した。
ウクライナ側はドネツク地域でのロシア軍の進撃を報じていない。
ロシア国防省によると、ロシア軍は東部バフムトのクリシチウカなどの村近くでウクライナ軍を撃退した。ロシア側の報道によると、ロシア軍はアブデーフカ近郊でも優勢だという。
ロシア国防省は、ロシア軍がこの地域でウクライナ軍による7回の反撃を跳ね除け、ウクライナのドローン(無人機)77機を破壊したと発表した。
一方ウクライナ軍の発表によると、ウクライナ軍はアブデーフカ近郊で18回の攻撃を撃退。バフムト近郊でロシア軍の攻撃5回を食い止めた。
ロイターはこれまでのところ、ウクライナ側とロシア側の戦況に関する発表について事実の確認ができていない。