ウクライナ、ロシアのA50早期警戒管制機を撃墜 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎ウクライナ、ロシアの早期警戒機を撃墜と 先月に続き

 

 

 ウクライナ軍は23日、ロシア軍のA50早期警戒管制機を撃墜したと明らかにした。ウクライナ軍は今年1月半ばにも、同型の偵察機を撃墜したと発表している。
 ウクライナ軍関係者によると、A50は前線から約200キロ離れた、ロシア南西部のロストフ・ナ・ドヌと南部クラスノダールの間で、撃墜されたという。
 現地当局はクラスノダール地方のカネフスコイ地区で、機体の残骸を発見し、炎を鎮圧したとしている。
 ロシア政府は、A50撃墜についてコメントしていない。
 ウクライナ空軍のミコラ・オレシチュク司令官は同日、ソーシャルメディア「テレグラム」で、A50を撃墜できたのは空軍と軍情報機関のおかげだと感謝した。23日がロシアの「祖国防衛者の日」でもあることを念頭に、「祖国防衛者の日だ。占領者、おめでとう」とも皮肉った。
 オンラインで共有されている動画では、飛行中のA50が撃墜されたように見える。大きな炎と黒煙が上がる様子も映っている。
「テレグラム」ではロシア軍関係チャンネルのひとつが、A50は味方に撃たれた可能性があると指摘。「現時点では、だれが撃墜したのか不明だ」と、チャンネル運営者は書いた。
 ウクライナ政府は、1月14日にもA50を撃墜したと発表。A50のほか、空中指揮機「IL22」も撃墜したとしていた。
 イギリス国防省は過去に、ロシア軍はおそらく運用可能なA50を6機所有していると説明していた。
 A50は防空システムを探知し、ロシアの戦闘機用に攻撃対象を選定・調整する。1機当たりの製造費は数百億円とされる。
 ウクライナ軍はこのところ、南東部でロシア軍に対して苦戦している。

 

◎ロシア、早期警戒機「A50」の被撃墜認める 東部ボフチャンスクで露軍数十人投降

 

 

 ロシアの捜査当局は17日、ウクライナ軍第138高射ミサイル旅団の司令官、ジャマン大佐を身柄不在のままテロ罪で起訴し、指名手配したと発表した。露経済紙コメルサントによると、露捜査当局は、ジャマン氏が2月の露航空宇宙軍の早期警戒管制機「A50」の撃墜を指揮したと主張している。「A50」の撃墜をロシアが認めたのは初めて。
 捜査当局の発表やコメルサントの報道によると、ジャマン氏は2月23日、非武装かつ軍事行動中ではなかったA50を露領土上空でミサイルによって撃墜し、乗員10人を死亡させたとしている。
 大型レーダーで空域を監視するA50は、露軍の制空権確保の要を担う希少な機体。コメルサントはA50の価格が1機3億ドル(約470億円)以上だと伝えた。
 A50を巡っては、ウクライナ国防省情報総局が2月23日、同国空軍との共同作戦によりアゾフ海上空で撃墜したと発表していた。ウクライナは1月中旬にも別のA50を撃墜したと報告している。
 一方、前線の戦況を巡り、米誌フォーブス(電子版)は今月16日、露軍が5月に着手したウクライナ東部ハリコフ州への越境攻撃で攻防が焦点化している国境地帯の小都市ボフチャンスクで、ウクライナ軍が露軍兵400人の立てこもる化学工場を包囲したと伝えた。包囲を受け、露軍兵数十人が投降したという。
 ボフチャンスクを巡っては、露軍が一時、市内の5割程度を制圧したものの、その後、ウクライナ軍が反撃。最近はウクライナ軍が市内の7~8割の支配権を回復したと報告されるなど、優勢だとみられている。