◎“徴兵逃れ”で隣国モルドバへ 最大50万人規模“追加動員”が議論される中 ウクライナ侵攻3年目

 

 

 3年目に入ったロシアによるウクライナ侵攻。そのウクライナでは今、兵士の追加動員が議論されていますが、一方で「徴兵逃れ」も問題となっています。国境地帯を取材しました。
〇記者
「ウクライナとモルドバの国境付近に来ています。国境警備隊が不法に国外に逃れる人たちの警備をしているということで、今回、特別にこちらに入って警備状況を見せてもらうことになりました」
 ひたすら続く有刺鉄線とフェンス。ウクライナの兵士達が歩く道のすぐ右側は、隣国モルドバです。ウクライナでは、侵攻後に出された総動員令により、18歳から60歳の男性は、原則、出国が禁止されていますが、徴兵を逃れようと不法に脱出するケースが相次いでいるのです。
○ウクライナ 国家国境庁 南部地域事務所の警備隊員
「パトロールで不法出国者の足跡を見つけ、国境を管理しています」
 国境地帯には足跡が残りやすいよう、柔らかい土が敷かれていて、これをもとに不法出国者を追跡するといいます。
○ウクライナ 国家国境庁 南部地域事務所の報道官
「足跡発見から30分~1時間で身柄確保することもあります」
 捜索には警備犬のほか、ドローンも投入され、国境警備隊は不法出国を手助けする斡旋業者も摘発。徴兵逃れを食い止めるのに躍 起です。
○ウクライナ 国家国境庁 南部地域事務所の報道官
「国境を守ることは、軍が敵と戦うのと同じくらい重要だと思います」
 こうしたなか議会では、最大50万人規模の追加動員をめぐる法案の審議が続いていますが、国内での反発も予想されます。
 一方、侵攻開始2年となった24日、首都キーウ近郊にはヨーロッパの首脳たちが…
○EU フォンデアライエン委員長
「ヨーロッパは必要な限り、ウクライナの味方であり続けます」
 また、G7首脳はオンライン会議を開き、ウクライナへの支援の継続で一致しました。
○ウクライナ ゼレンスキー大統領
「あなた方は我々の防空、軍の強化のため何が必要かよく知っている。頼りにしています」
 前線で苦戦を強いられているウクライナ。
 ただ、23日には“ロシア軍のA50早期警戒管制機を撃墜した”と発表しています。A50は防空システムの探知など重要な機能を持つとされ、事実であれば、ロシア軍にとって大きな打撃となります。