ウ軍が露軍のスホーイを3日で計6機撃墜 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎ウクライナがロシア軍のスホーイをまた撃墜、3日で計6機の大戦果に

 

 

 ウクライナ空軍は最良の弾薬が絶望的なまでに不足している。射程145kmほどの米国製パトリオット地対空ミサイルシステムもそうだ。
 もっとも、ウクライナ空軍がミサイルを浪費することはそもそもほとんどない。そのため、在庫が減っているパトリオットを発射した場合、目標を撃ち落とし損ねることはめったにない。
 だからこそ、ウクライナがより多くの弾薬を必死になって求め、政治的な努力を続ける状況にありながら、ウクライナ空軍はロシア軍の戦闘爆撃機をこの3日間で6機も撃墜したのだ。これはロシア空軍が耐えられないほどの高い損耗率である。
「ロシア軍機はどんどん墜落している!」──。ウクライナ国防省は19日、そう戦果を誇った。撃墜した6機は、複座のスホーイSu-34戦闘爆撃機4機と単座のスホーイSu-35戦闘機2機である。
 Su-34はロシア空軍最高の超音速攻撃機だ。ウクライナでは最近、主に近接航空支援任務に投入されており、前線方面に高高度で機動展開し、40kmほど離れた距離からKAB精密滑空爆弾を発射している。
 超音速機のSu-35は航空優勢を確保するための制空戦闘機で、Su-34の護衛にあたる。
 6機のうち3機は、17日にウクライナ東部アウジーイウカの東100kmあたりの上空を飛行中に撃墜された。アウジーイウカから撤退するウクライナ軍部隊を滑空爆弾で攻撃するために、編隊を組んでいたもようだ。
 ウクライナ国防省は、18日に4機目のスホーイを撃墜し、19日にさらに2機を南部のアゾフ海上空で撃墜したと主張している。
 撃墜に使われたのは、すべてウクライナ軍のパトリオット2(PAC-2)型だった可能性がある。もっと言えばその可能性が高い。ウクライナは米国とドイツからPAC-2を計3基供与されている。
 ウクライナ空軍はパトリオットを首都キーウ、南部、東部に1基ずつ配備している。トラックに搭載する発射機は展開し、レーダーと接続したまま移動可能だ。
 ロシア空軍はただちにスホーイが不足するわけではない。オランダのOSINT(オープンソース・インテリジェンス)分析サイト「Oryx(オリックス)」の集計によれば、2年にわたる激しい戦いのなかで撃破されたロシア空軍のSu-34とSu-35は、前者が150機中25機、後者は120機中6機となっている。

 とはいえ、3日で6機というここ数日の損耗率は、もしこのペースが続くとすればロシア空軍もとても持ちこたえられないはずだ。ロシアがウクライナに全面侵攻した2022年2月以来、ロシア空軍はジェット機を95機失っている。月に4機のペースだ。しかし、過去1週間では月60機に拡大している。
 保有するジェット機の総数が1000機程度のロシア空軍にとって、月60機の喪失というのは破滅的だ。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の先週のレポートによれば、ロシア空軍にとってそれ以上に大きな痛手は経験豊富な航空機搭乗員の喪失かもしれない。
 RUSIのアナリストであるジャック・ワトリングとニック・レイノルズは、ロシアの航空作戦は「重要な任務を遂行するのに十分な経験を積んだパイロットの利用可能数によって制約されている」と指摘している。
 とはいえ、ウクライナ空軍が1日2機というペースでロシア軍機を撃墜し続けられるとは考えにくい。米会議のロシア寄りの共和党議員らが米国によるウクライナへの援助を妨害し始めて4カ月たつなか、ウクライナ軍のパトリオットの在庫は「危機的な水準に落ち込んでいる」(元ウクライナ内相顧問のアントン・ヘラシチェンコ)からだ。
 ウクライナ側はパトリオットをスホーイの撃墜だけに使うわけにもいかないだろう。ウクライナ側は1発数百万ドルするパトリオットミサイルを、キーウやハルキウ、オデーサを狙うロシア側の弾道ミサイルの迎撃でも頼りにしている。
 つまり、今回のようなスホーイ大量撃墜は今後はあまり期待できそうにない。ウクライナ側には撃墜できるシステムはあっても、肝心のミサイル自体が足りない。

 

◎ロシアの戦闘機2機、東部で撃墜 ウクライナ空軍発表

 

 

(CNN) ウクライナ空軍は19日、東部でロシアの戦闘機2機を撃墜したと発表した。
 ウクライナ空軍によると、撃墜された2機はSu34とSu35。これ以外の詳細は公表されていない。
 ウクライナ東部では17日にも、Su34戦闘機2機とSu35戦闘機1機の計3機が撃墜されていたという。