米、兵器供与先に「国際法順守」の誓約書義務付けを通達 | すずくるのお国のまもり

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◎米、イスラエルに圧力 兵器供与先に「国際法順守」の誓約書義務付けを通達

 

 

【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は9日までに、米国が同盟・パートナー諸国に供与する兵器にについて、国際法に沿って使用するとの誓約書を提出するよう供与先に義務付けることを決めた。8日付で関係省庁に通達した。米国の軍事支援を受けるイスラエルの攻撃でパレスチナ自治区ガザの民間被害が増大しているのを受け、同国に抑制を促す狙いがある。
 バイデン政権は、イスラエルのネタニヤフ首相がイスラム原理主義組織ハマスの提示した停戦案を拒絶し、避難民が集中するガザ南部への進軍を準備していることにいらだちを強めている。バイデン氏は8日の記者会見で、イスラエルのガザ攻撃を「やりすぎだ」と批判。ジャンピエール大統領報道官は9日、「罪のない民間人は保護されなくてはならない」と述べた。
 通達でバイデン氏は、殺傷兵器の供与には、それらが紛争時の民間人保護などを定めた「国際人道法」や「国際人権法」から逸脱して使用されないことを「確かなものにすることが重要だ」と強調。軍事支援を所管する国務省と国防総省には、供与した兵器の使用状況を監視し定期的に議会へ報告書を提出するよう指示した。防空システムなどの防衛兵器は除外される。
 米国にとり、イスラエルは中東の最重要同盟国。バイデン政権は、昨年10月以降のイスラエルとハマスの戦闘では、一貫して同国との連帯を表明してきた。現在は議会に追加の軍事支援約140億ドル(約2兆円)の承認を求めている。国務省によると、米国からイスラエルへの軍事支援額は計1300億ドルを超す。
 一方で、バイデン政権は、ガザでの人道危機の深刻化が各地の親イラン武装勢力を勢いづけ、域内の緊張激化につながる事態を懸念。イスラエルの占領下にある自治区ヨルダン川西岸で、過激なユダヤ人入植者によるパレスチナ住民への暴力が頻発していることにも憂慮を示している。