韓国統一部長官「金正恩氏、世襲基盤の先代政策を崩している」 | すずくるのお国のまもり

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◎韓国統一部長官「金正恩氏、世襲基盤の先代政策を崩している…混乱を招く恐れも」

 

 

 金暎浩(キム・ヨンホ)統一部長官が5日、最近北朝鮮が金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)総書記ら先代が築いてきた遺訓を覆し、統一路線を廃棄したことについて「内部で理念的な空白や混乱を引き起こす可能性も排除できない」という分析を出した。「金正恩(キム・ジョンウン)政権は先代に頼って自分の権力を作り維持してきたが、新年に入って世襲権力の基盤を崩している」と指摘した。
 金長官は同日、ソウル鍾路区(チョンログ)のフォーシーズンズホテルで開かれた「統一部長官-4代研究院長新年特別座談会」でこのように述べた。また「北朝鮮は内部の混乱を外部に転嫁する政策(挑発など)を通じて挽回する姿を見せてきたため、今年の韓半島(朝鮮半島)の状況は軍事的に厳しいだろう」とし「その点を政府は注視している」と述べた。
 統一部が統一・外交・安全保障分野の4つの研究機関と「自由で平和な統一韓半島の実現に向けた2024年情勢環境評価および戦略構想」をテーマに行われたこの日の座談会にはキム・チョンシク統一研究院長、朴喆熙(パク・チョルヒ)国立外交院長、ハン・ソクヒ国家安保戦略研究院長、パク・ヨンジュン国防大学校国家安全保障問題研究所長が参加し意見を交換した。
 参加者らは北朝鮮の挑発に対して「力による平和」を追求しなければならず、韓米同盟と韓米日の協力はもちろん、欧州連合(EU)のように価値と理念を共有する国々とともに対応することが重要だと口をそろえた。
 座談会では、北朝鮮の韓国に対する挑発の可能性に対する分析が出た。キム・チョンシク院長は北朝鮮の核戦争の脅威について「相当な虚勢があると思う」とし、「戦争の危機作りを通じて韓米に不安感を持たせることで譲歩させようとするもので、自分たちが考える核軍縮方式で交渉を導こうとする狙いとみられる」と述べた。また「そのような過程で、意見の隔たりが生じれば韓米を仲違いさせることも可能だと考えているようだ」と述べた。
 パク・ヨンジュン所長は「北朝鮮の軍事的脅威に対して鋭意注視する必要があるが、これが韓半島の危機に直結したものだと断言するのはまだ早い状況」とし「北朝鮮が核戦力でリードしているが、軍事態勢を見ると戦争を挑発できる能力を備えていないとみられる」と明らかにした。
 金委員長が最近言及した「二つの国家論」に関する分析も出た。朴喆熙院長は「韓国が国際社会で北朝鮮と差別化できる絶好の機会をつかんだと思う」とし「自由民主主義に基盤を置く平和統一という大義名分を北朝鮮がわれわれに確実に渡した」と評価した。同時に「果たして誰が好戦的で平和を侵害する国なのかを北朝鮮自らが明らかにした」と付け加えた。
 北朝鮮が4月の総選挙に介入を試みる場合、韓国の対応能を問う質問については「(韓国の)能力は十分だ」という説明もあった。ハン・ソクヒ国家安保戦略研究院長は「テロが起きた後、またはある攻撃が起きた後にそれをなかったことにすることは容易ではないため、予防が重要だと思う」とし、最近国情院が選挙管理委員会を対象に行った保安点検を代表的な予防事例に挙げた。
 韓院長は、先月の台湾総統選挙で現われた中国の干渉や介入事例はもちろん、国内外で発生した各種テロに対しても緻密な分析が必要だと強調した。さらに、「最近、韓国国内で韓国大学生進歩連合という集団がテロを行う姿を見せた」とし、「このようなことに対するわれわれの姿勢や備えが重要だと考えて多方面で分析を行っている」と説明した。