米英、フーシ派の36施設を攻撃 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎フーシ派、米英の空爆に対する反撃を言明-「対応や罰」は不可避
 

 

 イエメンの親イラン武装組織フーシ派は、米英軍が同組織の拠点に空爆を実施したことに対する反撃を行うと表明した。
 米英軍は3日、紅海を通航する商船に対するフーシ派の攻撃を終わらせるための作戦の一環として、イエメン国内13カ所を標的とする空爆を行った。今回の一連の攻撃は、米英主導で1月11日に最初の作戦が行われた以降で最大規模。
 米英がフーシ派拠点数十カ所攻撃、シリア・イラクでの空爆に続き
 フーシ派のヤヒヤ・サリー報道官はX(旧ツイッター)に投稿した声明で、ガザ地区のパレスチナ人を支援するという「われわれの道徳的、宗教的、人道的な姿勢がこれらの攻撃によって妨げられることはない」と表明。今回の攻撃に対する「対応や罰」は不可避だとした。
 またフーシ派政治部門のアリ・アルカホム氏は、今や戦端が開かれており、同組織には反撃する軍事力があると述べた。
 サリー報道官によれば、イエメン全土の標的に対して約48回の空爆が行われたという。これより先、米国防総省は13カ所にある36のフーシ派拠点が標的だったと説明。具体的には武器貯蔵施設やミサイルシステム、発射装置、防空システム、レーダーを狙った攻撃が行われたとしている。
 空爆に使用された英空軍の戦闘機タイフーン 
 イラン外務省のナセル・カナニ報道は声明を通じ、米英は「混乱、無秩序、不安、不安定をあおっている」と非難した。
 英国のシャップス国防相は今回の攻撃について、商船や軍用船への「容認できない」攻撃に対する「適切かつ的を絞った」対応であることに変わりはないと説明。「これはエスカレーションではない」とし、「われわれはすでに、フーシ派による攻撃に関わっている発射装置や貯蔵施設を狙うことに成功しており、今回の攻撃でフーシ派の能力はさらに低下したと確信している」と述べた。
 11月に始まった紅海でのフーシ派による商船へのミサイル攻撃とドローン攻撃は、世界貿易を混乱させ、原油高を招きかねないとの懸念が生じている。大手海運各社は、より長い時間がかかる輸送ルートに変更している。
 今回のフーシ派拠点への空爆に先立つ2日には、米兵3人が死亡した無人機攻撃への報復として、イラン革命防衛隊と親イラン武装組織を標的に実施したシリアとイラクでの空爆も行われていた。
 ブリンケン米国務長官は4日から5日間の日程でサウジアラビア、エジプト、カタール、イスラエル、ヨルダン川西岸地区を歴訪する。イスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲攻撃した昨年10月17日以降、ブリンケン氏が中東を訪れるのは5回目となる。

 

◎米英軍、イエメンでフーシの30施設を攻撃

 

 

(CNN) 米英軍は3日、イエメンの10カ所以上で、同国の反政府武装組織フーシの拠点少なくとも30施設を空と地上から攻撃した。米当局者2人が語った。
 当局者の1人が語ったところによると、標的には司令部や地下の武器庫、フーシが国際航路の攻撃に使う武器などが含まれていた。米軍のミサイル駆逐艦「グレーブリー」と「カーニー」が巡航ミサイル「トマホーク」を撃ち込み、空母「アイゼンハワー」搭載のFA18戦闘機も参加したという。
 米英両国はオーストラリア、バーレーン、カナダ、デンマーク、オランダ、ニュージーランドとの共同声明を発表。「われわれは引き続き紅海の緊張緩和と安定回復を目指す一方で、フーシ指導部に改めて警告する」と述べ、世界でも極めて重要な航路のひとつで続く脅威に対し、「引き続き躊躇(ちゅうちょ)なく人命と自由な通商の流れを守る」と宣言した。
 当局者2人によると、バイデン米大統領が数日前に攻撃を承認していた。
 これに対してフーシ政治部門の幹部は3日、「イエメンでの米英軍の攻撃によってわれわれの立場は変わらない」とする声明を発表。イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区でのジェノサイド(集団殺害)をやめて住民を解放するまで、同国への軍事作戦を続行すると述べた。
 米中央軍によると、米軍は同日、この攻撃に先立ち、フーシが紅海に向けて発射しようとしていた対艦巡航ミサイル6発を撃墜した。
 バイデン政権は、ヨルダンの米軍基地で先週、米兵3人が死亡した攻撃への報復として、中東の親イラン組織に対する「多層的」な対抗措置を表明している。2日にはイラクとシリアで親イラン組織に対する大規模な空爆を実施し、さらなる攻撃を予告した。