◎輸送機墜落 ロシア下院の国防委員長「3発のミサイルで撃墜された」
ロシア国防省は24日、ウクライナ国境のロシア西部ベルゴロド州内で、ロシア軍の大型輸送機「イリューシン76」が墜落したと明らかにした。タス通信が伝えた。ウクライナ人捕虜65人を交換のため運んでいたという。乗組員なども合わせて計74人が乗っていたとみられ、同州のグラドコフ知事は通信アプリで全員が死亡したと発表した。
ただウクライナのメディア「ウクラインスカ・プラウダ」によると、ウクライナ軍関係者は、墜落した輸送機はミサイルを運んでいたと述べており、主張は食い違っている。
ロシア通信によると、ロシア下院のカルタポロフ国防委員長は「大型輸送機は3発のミサイルで撃墜された」と話した。使われたミサイルは欧米諸国がウクライナに供与しているものと同型だとも述べ、ウクライナ側による攻撃が原因だと示唆したものの、情報源については明らかにしなかった。
またロシア国防省は24日、輸送機はウクライナ軍が東部ハリコフ州から発射したミサイルで撃墜されたと主張し、「ウクライナによるテロ行為であり、自国民の命を軽視した」と非難した。
一方、ロシア軍は23日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)とハリコフなどに大規模なミサイル攻撃を実行した。ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオ声明で、一連の攻撃によって18人が死亡、130人以上が負傷し、家屋やインフラにも被害が出たと述べた。高層の集合住宅で死亡した人が特に多いという。【岡大介、山衛守剛、ベルリン念佛明奈】