韓国軍「陸・海上訓練を再開」 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎9・19南北軍事合意が事実上終焉…韓国軍「陸・海上訓練を再開」

 

 

 韓国軍当局が8日、北朝鮮の3日連続の砲撃挑発で9・19南北軍事合意に基づく地上と海上の敵対行為中止区域(緩衝区域)が無効化した、と明らかにした。軍当局は9・19合意以前のように緩衝区域で艦艇と陸上部隊の機動および砲射撃訓練を近く再開する方針だ。
 合同参謀本部のイ・ソンジュン公報室長はこの日の定例記者会見で「北は3600回ほど9・19軍事合意を違反し、3日連続で西海(ソヘ、黄海)上で砲兵射撃をした」とし「したがって敵対行為中止区域はもう存在しない」と宣言した。合同参謀本部は補完説明資料で「今後わが軍も海上および地上の敵対行為中止区域で射撃および訓練を独自の計画に基づいて正常に実施する」と明らかにした。
 南北は2018年に締結した9・19合意に基づき、西海南側の徳積島(ドクチョクド)以北から北側の椒島(チョド)以南までの水域、東海(トンヘ、日本名・日本海)南側の束草市(ソクチョシ)以北から北側の通川郡(トンチョングン)以南までの水域に海上緩衝区域を設定し、砲射撃および艦艇機動訓練を禁止した。地上では軍事境界線を基準にそれぞれ5キロまで緩衝地帯を設定し、砲射撃および連帯級以上の部隊の野外機動訓練を中止することにした。また、南北間1キロメートル内の距離にある南北監視哨所(GP)を完全に撤収し、板門店(パンムンジョム)共同警備区域(JSA)を非武装化することにした。
 これに先立ち韓国政府は、昨年11月22日に実施された北朝鮮の3回目の軍事偵察衛星打ち上げへの対応措置として9・19合意のうち「飛行禁止区域設定」の効力停止を決定した。翌日の23日、北朝鮮は9・19合意の全面破棄を宣言した後、撤収した前方のGP11カ所で復旧活動を始め、JSA警戒兵力も再武装させた。今回の軍当局の発表で9・19合意自体が事実上死文化したという評価が出ている。
 申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官はこの日、ドローン作戦司令部を訪問した席で「ドローンは戦場のゲームチェンジャーであり、最近のロシア-ウクライナ戦争、イスラエル-ハマス武力衝突などで効用性が立証された武器体系」とし「ドローン作戰司令部は敵には恐怖を、国民には信頼を与える最精鋭合同戦闘部隊になってほしい」と強調した。
 一方、軍当局はこの日、北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長が7日の談話で「6日に一発の砲弾も撃たず発破用の爆薬を60回をさく烈させて大韓民国の軍部の反応に注目した」と主張したことに関連し、当時の状況について追加で具体的な説明をした。
 軍情報筋によると、当時北朝鮮軍は延坪島(ヨンピョンド)北西側のケモリ陣地から放射砲や野砲など砲弾60余発を射撃したが、爆薬を先にさく烈させた後に砲射撃をし、その後また爆薬をさく烈させたということだ。情報筋は「当時、放射砲弾の飛行軌跡も捕捉した」とし「わが軍が北の砲射撃数まで比較的正確に伝えたことに当惑したようだ」と話した。