米国、ロシアが北朝鮮弾道ミサイルでウクライナ攻撃 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎米国「ロシアが北朝鮮弾道ミサイルでウクライナ攻撃…朝鮮半島安保にも悪影響」(1)

 

 

 

 ロシアが北朝鮮から弾道ミサイルと発射台を受け、その一部をウクライナ攻撃にすでに使用したと、米ホワイトハウスが4日(現地時間)明らかにした。北朝鮮はその見返りに戦闘機と地対空ミサイル、先端技術を要求しているという。露朝間の武器取引が韓半島(朝鮮半島)とインド太平洋地域の安全保障にも悪影響を及ぼすという懸念が強まっている。
 米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官はこの日の記者会見で「入手した情報によると、北朝鮮は最近ロシアに弾道ミサイル発射台と数発の弾道ミサイルを供与した」と明らかにした。続いて「ロシア軍は昨年12月30日に北朝鮮の弾道ミサイルのうち少なくとも1発をウクライナに発射し、1月2日にはウクライナを狙った夜間空襲時に数発の北朝鮮の弾道ミサイルを発射した」と伝えた。昨年12月30日にロシアが南西方向に発射したミサイルはウクライナのザポロジエ地域の空き地に落ちたことが把握され、2日に発射されたミサイルの影響は現在分析中という。この日、米NSCはロシアがウクライナに向けて発射した北朝鮮弾道ミサイルの弾着地点を表示したグラフィック資料も公開した。
◆「北朝鮮、ロシア支援の見返りに先端技術要求」
 カービー調整官は北朝鮮の弾道ミサイルの射程距離を約900キロとし、「ロシアは北朝鮮の弾道ミサイルを追加で使用すると予想される」と述べた。特に「北朝鮮はミサイル支援の見返りにロシアに戦闘機、地対空ミサイル、装甲車、弾道ミサイル生産装備、軍需物資、その他の先端技術を求めていると評価される」とし「これは朝鮮半島とインド太平洋地域の安全保障にも懸念される影響を及ぼすことを意味する」と指摘した。
 北朝鮮は短距離弾道ミサイルの殺傷力をロシアを通じて間接的にテストする効果を得た後、ミサイルの性能や正確度の高度化に活用することができる。この場合、北朝鮮のミサイルが韓国だけでなく北東アジア地域により大きな脅威となり得る。
 昨年7月25-27日にショイグ露国防相が北朝鮮を訪問したのに続き、9月13日に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とプーチン大統領が首脳会談を開いて軍事協力の強化に合意して以降、露朝間で武器取引が行われる可能性が高いという見方が引き続き提起されてきた。米ホワイトハウスは北朝鮮がロシアに弾薬など軍需物資を供与し、反対給付としてロシアの人工衛星と原子力潜水艦など先端技術支援を求める可能性が高いと伝えた。北朝鮮が11月21日の軍事偵察衛星「万里鏡1号」打ち上げ当時にロシアの技術を活用した可能性も米シンクタンクなどで提起されたが、米国防総省は「確認されているものはない」と述べた。
 これに先立ち米ウォールストリートジャーナル(WSJ)は前日、米政府当局者を引用し「北朝鮮はこの数週間、さまざまな武器をロシアに積み出し始め、短距離弾道ミサイルも初めてロシア東部に送られた」とし「ロシアはイランからも短距離弾道ミサイルを購入する計画」と報じた。韓国軍当局も昨年11月、北朝鮮がロシアに砲弾だけでなく携帯用対空ミサイルと短距離弾道ミサイルを供与した可能性があると明らかにした。

◆「ロシア、イランと短距離ミサイル購買交渉」
 カービー調整官は「ロシアがイランから短距離弾道ミサイルを調達するため交渉を活発に進めている」と述べた。このため米政府はロシアと北朝鮮およびイランの武器取引を防ぐための措置を考慮している。カービー調整官は「ロシアの北朝鮮弾道ミサイル調達は複数の国連安保理決議案を違反するものであり、同盟国およびパートナーと国連安保理にこの問題を提起し、武器取引を促進するために努力する人たちに追加の制裁を加える」と伝えた。また「今のように引き続き情報を公開して武器取引を暴露する」と話した。
 米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使はこの日の声明で「露朝は北朝鮮武器禁輸を規定した国連安保理制裁を正面から違反した」とし「10日に開かれるウクライナ関連の安保理会議で露朝制裁違反問題を提起する」とした。北朝鮮の大量破壊兵器および弾道ミサイルプログラムに対する同盟国・パートナーとの共同対処を強化するとも伝えた。
 ホワイトハウスは米議会に対し、ウクライナ追加資金支援のための予算案の承認も促した。カービー調整官は「ロシアの暴力への最も効果的な対応は、ウクライナに必要な防空能力と軍事装備を引き続き供与することだ」とし「すぐにも議会が行動する時」と強調した。
◆「北朝鮮の核・ミサイル、米第1等級脅威要因」
 一方、米外交問題評議会(CFR)傘下の防止行動センター(CPA)がこの日に公開した「2024安保脅威優先順位調査」報告書で、北朝鮮の核および長距離弾道ミサイル開発・実験による北東アジア安保危機が、米国内政治の二極化によるテロおよび政治暴力の可能性と共に「1等級脅威」に分類された。
 約550人の米政府関係者、外交政策専門家に対するアンケート調査の答弁に基づくこの報告書は安保脅威要因を3つの等級に分けた。1等級脅威要因には北朝鮮の挑発、米政治の二極化によるテロの可能性のほか▼イスラエル・ハマス紛争拡大▼ウクライナ戦争の激化と北大西洋条約機構(NATO)介入の可能性▼中国と台湾の両岸危機▼イラン・イスラエル衝突の可能性▼核心インフラに対するサイバー攻撃など8件が挙げられた。2等級脅威は▼南シナ海上の中国の攻勢的行動による中国とフィリピン・米国の衝突など7件。
 昨年末の北朝鮮の核兵器脅迫など挑発的メッセージに関連し、米国防総省のライダー報道官は記者会見で「域内の安保と繁栄、安定を確保するために同盟およびパートナーと協力するのに引き続き集中する」と述べた。北朝鮮の核戦争脅迫の状況で米国の拡大抑止に効果はあるのかという質問には「米国の拡大抑止は引き続き域内の安定に直接的に寄与するはず」と答えた。

 

 

◎ウクライナに北朝鮮製イスカンデルの痕跡…「闇の武器商」の役割露わに

 

 

 ウクライナ北東部の激戦地ハルキウで北朝鮮製と推定されるミサイルの破片が見つかり、イスラエル軍が回収したミサイルの残骸にもハングルが含まれた製造番号が書かれていたことが明らかになった。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が欧州と中東で展開される「2つの戦争」でロシアとパレスチナの武装勢力ハマスに武器を供給する「闇の武器商」の役割をしているという推定が事実として現れている。
 ロイター通信が6日に伝えたところによると、ハルキウ検察庁報道官は「1月2日に着弾した複数のミサイルのうち、視覚的・技術的にロシアのモデルと異なるものが見つかった。北朝鮮のミサイルと似ている」と話した。ロシアが開発したイスカンデルと似ているが、直径が若干大きく、内部ノズルと電気配線、背面部品に違いがあったという根拠を提示した。
 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は前日に「ロシアが北朝鮮製ミサイルでウクライナを攻撃した」と明らかにした。