イスラエル軍、「1年通して戦闘必要」 予備役兵の一部撤収も開始 | すずくるのお国のまもり

すずくるのお国のまもり

お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎イスラエル軍、「1年通して戦闘必要」 予備役兵の一部撤収も開始

 

 

 パレスチナ自治区ガザ地区に侵攻するイスラエル軍は2日までに、戦闘の拡大で招集していた予備役兵の一部を前線から撤収させ、部隊の再編を始めた。ガザ地区全域での軍事作戦を継続しつつ、戦闘の長期化も見据えた措置とみられる。
 イスラエル南部や中部では年が明けた直後に、ガザ地区を主な拠点にするイスラム組織ハマスによる約20発のロケット攻撃があった。多くは防空システムで撃墜し、負傷者はいなかったという。
 一方、ガザ地区の保健省は2日、前日からの24時間にイスラエル軍の攻撃で207人が死亡したと発表。10月に戦闘が始まって以降、ガザ地区の死者数は2万2185人になり、5万7035人が負傷したとしている。
 そうした中、イスラエル軍のハガリ報道官は1日夜、二つの予備役兵の部隊の撤収が始まったと明かし、「私たちはイスラエル経済が機能し、家族の元に戻れるようにしていく」と語った。
 前日夜の会見では、「1年を通して追加の任務と戦闘が必要になるだろう」と述べ、長期化は避けられないとの見方を示していた。ネタニヤフ首相も30日夜の記者会見で、「戦争はあと何カ月も続く」と語っていた。
 AP通信によると、これまで約30万人の予備役兵が仕事や学業を中断して招集されており、経済への影響が懸念されている。軍は週内にも、数千人を撤収させる方針という。
 ただ、地元紙ハアレツは2日、政府高官の話として、「撤収する部隊の一部は、(ハマスと共闘するレバノンのイスラム教シーア派組織)ヒズボラとの戦線に対応するために準備をしていくだろう」と報道。イスラエル北部の兵力を強化する狙いを指摘した。(エルサレム=石原孝)