北朝鮮の軍事衛星、ロシアの支援でロケットの欠陥克服か | すずくるのお国のまもり

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◎北朝鮮の軍事衛星、ロシアの技術支援でロケットの欠陥克服か…韓国国防相「月内に打ち上げ」

 

 

 【ソウル=中川孝之】韓国軍合同参謀本部の 姜鎬弼カンホピル 作戦本部長は20日の声明で、北朝鮮が3回目の軍事偵察衛星発射を強行すれば「必要な措置」を取ると表明した。2018年に締結した南北軍事合意で設定した飛行禁止区域の効力停止も検討しているとみられる。
20日、ソウルの韓国国防省で、北朝鮮に軍事偵察衛星の発射中止を求める韓国軍合同参謀本部の姜鎬弼作戦本部長(韓国国防省提供)
 韓国の申源●(シンウォンシク)国防相は19日のテレビ番組で「今後1週間以内か、遅くとも11月30日までに打ち上げる」との見方を示している。北朝鮮はロシアの技術支援でロケットのエンジンの欠陥を克服したという。
 韓国政府が対抗措置として効力停止を検討する合意の項目は、軍事境界線から最大40キロ・メートルの範囲で民間機を除く戦闘機や無人機などの飛行を禁止するもの。姜氏は、北朝鮮が軍事偵察衛星で韓国に対する監視・偵察能力を強化しようとしていると声明で指摘。「軍事合意に基づき、韓国軍が監視活動に対する制約を受けることは、韓国軍の態勢を大きく阻害し、国民の生命と安全を守れない結果を招くことになる」と訴えた。
 韓国空軍の偵察能力は北朝鮮より格段に高い。飛行禁止区域で韓国側が一方的に監視能力を制限されているとの指摘があった。
 10月7日にイスラム主義組織ハマスがイスラエルに対してロケット砲などで奇襲攻撃を加えたことも影響した。北朝鮮は、軍事境界線近くにソウルを狙う大量のロケット砲を配備している。南北軍事合意が足かせとなり、北朝鮮の奇襲攻撃の兆候を見逃す恐れがあるとの懸念が高まった。
 韓国大統領府は20日、 趙太庸チョテヨン 国家安保室長主宰の国家安全保障会議(NSC)を開き、北朝鮮の衛星発射に備え、日米と緊密に協力することを確認した。
 南北軍事合意は、北朝鮮に融和的だった左派の 文在寅ムンジェイン 前政権下で締結された。抑止力強化を重視する保守の 尹錫悦ユンソンニョル 政権周辺では、破棄すべきだとの声が根強い。左派系野党は、北朝鮮に挑発の大義名分を与えかねないとして反対する姿勢だ。

 ◆ 南北軍事合意 =2018年9月の 平壌ピョンヤン での南北首脳会談に合わせて南北の国防相が署名した。南北が全ての敵対行為を全面中止し、非武装地帯(DMZ)を平和地帯にすることを目標に掲げた。DMZでの監視所の撤去や軍事境界線近くでの射撃訓練禁止など具体的な措置が盛り込まれた。