◎北朝鮮、新型弾道ミサイルの固体燃料エンジン開発 燃焼実験成功
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は15日、同国のミサイル工業部門が新型中距離弾道ミサイル用の大出力固体燃料エンジンを開発したと報じた。1段目エンジンの地上燃焼実験を11日、2段目エンジンの地上燃焼実験を14日にそれぞれ初めて実施し、「非常に満足できる結果が得られた」としている。
固体燃料式のミサイルは発射までの準備時間が液体燃料式に比べて短いため、発射の兆候を探知することが難しいとされる。中距離弾道ミサイルは、日本全土を射程に収め、在日米軍基地も攻撃対象となりかねない。実用化されれば、北朝鮮の核・ミサイルの脅威レベルが上がることになる。
北朝鮮は最高人民会議（国会）で、昨年の新型大陸間弾道ミサイル（ICBM）「火星17」発射実験の日に合わせた11月18日を「ミサイル工業節」に定めた。その日が近づく中、ミサイル技術開発の加速を誇示することで、北朝鮮への軍事的な圧力を強める米韓両国をけん制したとみられる。
同通信は「すでに確保した大出力固体燃料エンジン分野の設計や製作技術力の信頼性と安全性がいま一度はっきり検証された」と主張。同国のミサイル総局は「地域の軍事情勢に備えて、戦略的な攻撃力をより向上させるための必須工程だ」と述べた。
◎ミサイル総局で新型の中距離弾道ミサイル用固体燃料エンジンの実験
【平壌１１月１５日発朝鮮中央通信】国の防衛力を全面的に強化するための力強い闘いが加速している時期に、ミサイル工業部門は再び重大な戦略的意義を持つ新型の中距離弾道ミサイル用大出力固体燃料エンジンを開発して、第１段エンジンの初の地上噴出実験を１１月１１日に、第２段エンジンの初の地上噴出実験を１１月１４日に成功裏に行った。
朝鮮労働党中央委員会第８期第６回総会と党中央軍事委員会第８期第４回拡大会議は、変化する地域の不安定な情勢と安全環境から出発した展望的な共和国国防力の現代化計画を審議して、２０２３年度国防科学発展および兵器システム開発計画の中で大陸間弾道ミサイル（ＩＣＢＭ）「火星砲―１８」型とともに、中距離弾道ミサイルの新たな更新をミサイル工業部門に提起される重大課題として示した。
今回の実験は、新しく開発した中距離弾道ミサイル用大出力固体燃料エンジンの技術的特性を評価するのに目的を置いて行われた。
１段と２段のエンジンの初の地上噴出実験では、非常に満足できる結果が収められたし、すでに確保した朝鮮式大出力固体燃料エンジン分野の設計および製作技術力の信頼性と安全性が今一度はっきり検証された。
実験を通じて、新型の中距離弾道ミサイル兵器システムの開発を頼もしく進められる確固たる保証がもたらされた。
朝鮮民主主義人民共和国ミサイル総局は、今回の実験は国が直面した重大で不安定な安全環境と敵の軍事的共謀結託策動が一層悪辣（あくらつ）に強行される展望的な地域の軍事情勢に備えて共和国武力の戦略的な攻撃力をより向上させるための必須の工程になると指摘して、新型中距離弾道ミサイル開発事業に大きな意味を付与した。－－－
