◎ASEAN加盟国だけの初の合同軍事演習を公開、米中対立から距離置く狙いも

 

 

 ASEAN=東南アジア諸国連合は、インドネシアの離島周辺で実施している合同軍事演習を公開しました。加盟国だけで行う初の演習で、南シナ海をめぐる米中対立から距離を置きたい狙いもあるとみられます。
 ASEAN単独では初となる合同軍事演習は、インドネシア・ナトゥナ諸島の南の海域で行われていて、21日までに海上警備や医療活動などの訓練が公開されました。
 南シナ海では、軍事拠点化を進める中国がASEANの一部の加盟国と領有権を争う一方、アメリカが安全保障面での関与を強めるなど、中国への対抗姿勢を鮮明にしています。
 ASEANはこれまで、アメリカ、中国とそれぞれ軍事演習を実施してきましたが、激化する米中対立への懸念から、一定の距離を置きたい狙いもあるとみられます。
現地メディアによると、演習は当初、南シナ海南部の海域で行われる予定でしたが、中国への刺激を避けるため、場所が変更されたということです。

 

◎南シナ海で初の合同軍事演習へ ASEAN、インドネシアで式典

 

 

 【バタム島(インドネシア)時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)は19日、シンガポールに程近いインドネシアのバタム島で、加盟10カ国が参加する初の合同軍事演習を前に式典を行った。政情不安が続くミャンマーのほか、加盟が内定している東ティモールも加わる。計11カ国による演習は、南シナ海南部の「北ナトゥナ海」で21~25日に実施される。
 インドネシア国軍のユド・マルゴノ司令官は式典で「演習を通じ、この地域の平和と安定を促進させることがテーマだ。学び合える機会を生かしてほしい」とあいさつ。マレーシアとシンガポールの司令官も「合同演習はASEANの関係強化のためにも、とても重要だ」などと述べた。