◎ロシア同盟国アルメニア、米国と軍事演習へ 不満募り離反の動き加速

 

 

 旧ソ連の構成国でロシアの軍事同盟国であるアルメニアの国防省は6日、米国との合同軍事演習を11~20日に開くと発表した。アルメニアは、隣国アゼルバイジャンとの紛争をめぐりロシアへの不満を募らせ、ウクライナ侵攻後は欧米に接近する動きを強めている。ロシアでは反発の声も出ている。
 演習は「国際平和維持活動への準備の一環」として、アルメニアで実施される。「紛争当事者間の安定化」が目的に含まれ、アゼルバイジャン領のナゴルノ・カラバフをめぐる紛争を連想させる内容だ。
 アルメニアは1月、ロシア主導の「集団安全保障条約機構」(CSTO)の合同軍事演習を今年は自国で開催しないと表明した。それだけに、ロシアと対立する米国との合同演習は異例の事態とも言える。
 ナゴルノ・カラバフはアルメニア系住民が多数を占め、ソ連崩壊の過程で独立を宣言した。だが、2020年の大規模な軍事衝突でアゼルバイジャンが大半を占領。昨年12月には、アルメニアと結ぶ唯一の幹線道路をアゼルバイジャンが封鎖し、アルメニア側は「人道危機だ」と訴えている。