◎ロシア副首相 北方領土の択捉島に 政権幹部訪問は軍事侵攻後初

 

 

 ロシア極東のサハリン州政府は、ロシア政府で極東の大統領全権代表を務める副首相が、4日に北方領土の択捉島を訪問したと発表しました。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから、プーチン政権幹部の北方領土への訪問が明らかになったのは初めてです。
 北方領土を訪問したのは、ロシア政府で極東の大統領全権代表を務めるトルトネフ副首相で、サハリン州政府によりますと4日、サハリン州の中心都市ユジノサハリンスクから択捉島を訪問したということです。
 プーチン政権幹部の北方領土への訪問が明らかになったのは、おととし10月に司法手続きなどを担当する副首相ら2人が択捉島を訪問して以来で、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってからは初めてです。
 トルトネフ副首相は択捉島で、水産加工施設などを視察したほか、サハリン州や島の代表らと会議を開いて、プーチン政権が北方領土に企業の進出を促そうと進めている、固定資産税などを免除する優遇措置の導入状況について協議したということです。
 プーチン政権としては、北方領土を自国の領土として開発していく姿勢をアピールするとともに、侵攻を続けるロシアへの経済制裁を強めている日本側をけん制するねらいがあるとみられます。