◎韓国大宇造船の買収完了 ハンファオーシャンに社名変更

 

 

【ソウル=細川幸太郎】韓国財閥ハンファグループは23日、造船世界大手の大宇造船海洋の買収を完了したと発表した。同日付で大宇造船は「ハンファオーシャン」と社名を変えて、ハンファグループ傘下で経営再建を進める。ハンファは防衛装備品事業を手掛けており、新たに艦艇を製品ラインアップに加える。
 ハンファグループで大宇造船の2兆ウォン(約2100億円)の第三者割当増資を引き受ける形で49.3%を出資した。航空宇宙関連事業のハンファエアロスペースが1兆ウォン、防衛装備のハンファシステムが5000億ウォンを拠出するなどグループ会社が資金を出し合った。
 ハンファオーシャンの最高経営責任者(CEO)には、グループの司令塔の役割を担う権赫雄(クォン・ヒョクウン)副会長が就任した。取締役8人のうち、4人がハンファ出身者となった。
 権CEOは「ハンファオーシャン職員は(韓国南東部巨済島の)玉浦(オクポ)に世界的な造船企業を作り上げた底力がある。技術中心の優秀な文化を基盤に世界最高の競争力で安定収益を実現していく」と話した。
 アジア金融危機で経営難に陥った大宇造船は、2000年に政府系の韓国産業銀行傘下に入った後、19年に同業大手の現代重工業への売却が決まったものの頓挫した経緯がある。造船世界3位ながら不況期の赤字受注が響き、収益が安定せずに赤字体質から抜け切れていない。新たにハンファグループ傘下となって防衛装備品事業で相乗効果を模索する。