日米韓の北ミサイル情報共有 「3カ国に利益になる方向で」=韓国国防部 | すずくるのお国のまもり

すずくるのお国のまもり

お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎韓米日の北ミサイル情報共有 「3カ国に利益になる方向で」=韓国国防部

 

 

【ソウル聯合ニュース】韓国国防部のムン・ホンシク副報道官は14日の定例会見で、韓米日首脳がカンボジアで開いた会談で北朝鮮のミサイル発射に関する情報をリアルタイムで共有する方針を確認したことについて、「3カ国が協力すれば、より正確なミサイル情報の共有が可能になる」と評価し、「(情報共有に関する)議論は3カ国全てにとって利益になる方向で行われる」と説明した。韓米日の国防当局の情報共有に関する取り決め(TISA)や韓日間の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)といった枠組みが存在する中、ミサイル情報のリアルタイム共有は日本に有利な新たなシステムを作るものだとの指摘に答えた。
 韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と米国のバイデン大統領、日本の岸田文雄首相は13日にカンボジア・プノンペンで首脳会談を行い、北朝鮮のミサイル情報の即時共有などを盛り込んだ共同声明を採択した。
 地理的に北朝鮮に近い韓国でミサイルの初期情報を正確に探知できる可能性が高いため、この情報を日本に与える半面、日本からは得られるものが多くないとの主張も一部にある。
 一方で、レーダーの探知可能範囲を踏まえると、北朝鮮ミサイルの発射地点と飛行方向、短距離ミサイルの軌道などは韓国がより正確に把握できるが、太平洋側に向かう中距離以上のミサイルは日本の方が精密に探知できる確率が高いとの指摘もある。
 また、TISAは韓日が米国を介して情報を共有する形を取っており、GSOMIAは要請があった場合に情報をやり取りすることから、いずれもリアルタイムの共有には及ばない。
 ムン氏は「初期情報ではわれわれが優位だが、他方では日本にも強みがある。発射の地点や方向によって情報の価値が異なる」と説明した。

 

◎日米韓が首脳会談、対北朝鮮での団結強調-挑発行動強まる中

 

 

 バイデン米大統領は13日、カンボジアのプノンペンで岸田文雄首相、韓国の尹錫悦大統領との3カ国首脳会談に臨んだ。北朝鮮がミサイル試射による挑発行動を強めている中で3カ国の団結を示すのが狙い。バイデン大統領は14日に中国の習近平国家主席と会談する。
  バイデン氏は「北朝鮮が核兵器やミサイルを通じてわれわれの国民に脅威を与えており、その懸念を共有する3カ国は何年も前から協力関係にあった」と指摘。北朝鮮の「挑発的な行動」は続いており、3カ国のパートナーシップはこれまで以上に重要になったと続けた。
 岸田首相は「北朝鮮による前例のない挑発行為が続いている」として、毅然(きぜん)として対応していく決意を示した。
〇半導体
 バイデン大統領はこのほか、「サプライチェーンを強化」する方法や「経済的レジリエンス(回復力)」を積み上げる方法を3首脳で話し合っていくと述べた。米国が導入した半導体技術に関する新たな制限を巡って、日韓両国との間では緊張が生じている。
 バイデン米政権、半導体技術の対中輸出で新たな制限発表  
 日韓は米中間で板挟みになっている。両国にとって米国は安全保障面で最大のパートナーである一方、中国は最大の貿易相手国だ。世界的なメモリーチップ大手、韓国のSKハイニックスは「極端な状況では」中国の大型工場閉鎖や売却に追い込まれかねないとして、バイデン政権の制限措置をけん制している。

 

◎韓米日でミサイル警報情報共有、共に民主が「バラマキ外交、屈辱外交」と批判

 

 

◎日米韓首脳会合 令和4年11月13日

 

 

 現地時間11月13日午後4時30分頃(日本時間同日午後6時30分頃)から約15分間、ASEAN関連首脳会議のためカンボジア・プノンペンを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr., President of the United States of America)及び尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領(H.E. Mr. YOON Suk Yeol, President of the Republic of Korea)との間で日米韓首脳会合を行ったところ、概要は以下のとおりです。
 なお、会合終了後、日米韓首脳共同声明(仮訳(PDF)別ウィンドウで開く/英文(PDF)別ウィンドウで開く)が発出されました。
 三か国の首脳は、北朝鮮による前例のない頻度と態様での挑発行為が続き、更なる挑発も想定される中、日米、日韓、日米韓での連携は益々重要であるとの認識を共有しました。その上で、引き続き、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向けて、日米韓安保協力を始めとする地域の抑止力強化を含め、日米、日韓、日米韓で連携し、毅然とした対応を行っていくことで一致しました。

 

◎インド太平洋における三か国パートナーシップに関するプノンペン声明

日米韓首脳共同声明

 本日、カンボジアのプノンペンでの東アジア首脳会議において、岸田文雄日本国総理大臣、尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領、ジョセフ・バイデン米国大統領は、共通の価値に導かれ、イノベーションによって推進され、共通の繁栄及び安全にコミットする三か国のパートナーシップを再確認した。首脳は、かつてない水準の日米韓の協調を称賛した。首脳は共に、本年二回目の日米韓首脳会合において、安全保障分野及びその他の分野において、一層緊密な三か国の連携を構築することを決意した。
 首脳は、21世紀の課題には、日米韓三か国の一層緊密な協力が求められることを認識している。米国の韓国及び日本に対する同盟上の揺るぎないコミットメント及び我々の緊密で長きにわたる友情は、我々の国民、地域、そして世界の安全及び繁栄に不可欠である。また、首脳は、世界の平和、安全及び繁栄にとって極めて重要な地域であるインド太平洋地域に対する我々のアプローチを実施するため、政府のあらゆるレベルにおいて三か国の形式で協働することに一致した。首脳は、包摂的で、強靭で、安全な、自由で開かれたインド太平洋の追求において、我々の取組を連携させていく。


Ⅰ.インド太平洋及びそれを超えた地域の安全の確保 
 首脳は、複数のICBM発射を含む、北朝鮮による本年かつてない数の弾道ミサイル発射並びに朝鮮半島及びそれを超える地域の平和及び安全に対する重大な脅威を及ぼす相次ぐ通常の軍事的活動を強く非難する。首脳は、国連安保理決議に従った、朝鮮半島の完全な非核化に対するコミットメントを再確認する。

 首脳は、北朝鮮に対し、これらの決議の下での義務並びにこれまでのコミットメント及び合意に従うことを求めるとともに、全ての国連加盟国に対し、全ての国連安保理決議の完全な履行を求める。

 首脳は、北朝鮮による核実験は、国際社会による力強い確固たる対応により対処されることを確認する。日本、韓国及び米国は、制裁について調整し、全ての関連する制裁の完全な実施を確保するため、国際的な制裁体制におけるギャップを埋めるために協働する。北朝鮮との平和的・外交的解決に向けた対話への道は依然として開かれており、首脳は北朝鮮に対し交渉に戻るよう求める。このため、バイデン大統領及び岸田総理大臣は、韓国の「大胆な構想」の目標に対する支持を表明する。

 首脳は、拉致問題の即時解決に向けた共通のコミットメントを再確認する。岸田総理大臣及びバイデン大統領はまた、北朝鮮に拘束されている韓国人の即時解放への支持を表明する。同時に、日米韓三か国は抑止力強化のために協働する。バイデン大統領は、日本及び韓国の防衛への米国のコミットメントは強固であり、核を含むあらゆる種類の能力によって裏打ちされていることを改めて表明した。地域の安全保障環境が厳しさを増す中、バイデン大統領は、日本及び韓国に対する拡大抑止を強化するとの米国のコミットメントは強まるのみであることを再確認する。我々の最近の共同演習は、平和及び安定を維持し、ルールに基づく国際秩序を守るという我々の決意を示すものである。首脳は、飛来するミサイルによる脅威を探知し、及び評価する各国の能力を向上させるため、北朝鮮のミサイル警戒データをリアルタイムで共有する意図を有する。これは抑止、平和及び安定のための大きな一歩である。
 首脳は、国際秩序の根幹を揺るがすロシアによるウクライナに対するいわれのない残虐な侵略戦争に対し、ウクライナを支持するとのコミットメントを確認する。

 首脳は、侵略がいかなる場所であっても激化する間は、インド太平洋地域は安定的、安全にはなりえず、領土一体性及び主権に対する脅威は、国際秩序全体の構造を損なうことを認識している。首脳は、ロシアによるウクライナの民間人及び民生インフラに対する無差別攻撃を最も強い言葉で共に非難し、ウクライナの領土一体性と主権の即時回復を求める。

 首脳は、ロシアの威圧及び威嚇のための核の脅しを非難し、ロシアによるいかなる核兵器の使用も人類に対する敵対行為であり、いかなる状況下でもロシアは決して核兵器を使用してはならないと断固として表明する。

 首脳はまた、インド太平洋地域を含め、いかなる場所においても、そのような行為が決して犯されないようにするとの決意を共有する。この関連で、首脳はまた、ウクライナが放射性の「汚い爆弾」を準備しているとのロシアによる虚偽の主張を拒否する。
 首脳は、不法な海洋権益に関する主張、埋立地の軍事化及び威圧的な活動を通じたものを含め、インド太平洋の海域におけるいかなる一方的な現状変更の試みに強く反対する。首脳は、国連海洋法条約(UNCLOS)に整合した形での、航行及び上空飛行の自由を含む法の支配に対する確固たるコミットメントを改めて表明した。岸田総理大臣、尹大統領及びバイデン大統領は、台湾に関する基本的立場に変更がないことを強調し、国際社会の安全及び繁栄に不可欠な要素である、台湾海峡の平和及び安定の維持の重要性を改めて表明する。


Ⅱ.成長する地域のパートナーシップ 
 首脳は、ASEANの中心性・一体性及び東アジア首脳会議(EAS)を含むASEAN主導の地域のアーキテクチャーへの支持を全面的に再確認する。首脳は、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」の確実な実施を支援するとともに、引き続き自らの地域戦略とAOIPとを整合させるため、ASEANのパートナーと緊密に取り組むことを誓う。首脳は、ミャンマーにおけるクーデター及びミャンマー国軍の市民に対する残忍な攻撃を非難し、引き続きASEANの取組を支持し、「5つのコンセンサス」の実施、暴力の即時停止、不当に拘束された全ての人々の解放、制限のない全国的な人道アクセス、民主主義の迅速な回復を追求する行動をとることにコミットする。
 首脳は、メコン地域の繁栄、安全、持続可能性、及び強靱性への共同のコミットメントを強調し、開発パートナー及びフレンズオブメコンの参加国として、協力と連携を支持した。日本、韓国及び米国は、メコン地域の経済開発及び持続可能なエネルギー開発への支援に取り組むとともに、メコン河流域の水供給の保障及び気候強靱性を推進する。首脳は、持続可能な開発を確保し、メコン諸国と開発パートナーの協調を促進するため、メコン河委員会(MRC)及びエーヤワディー・チャオプラヤー・メコン経済協力戦略(ACMECS)を含む地域の協力枠組みへの支援を再確認する。
首脳は、太平洋島嶼国へのコミットメント及び太平洋諸島フォーラムの「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」に導かれ、透明かつ効果的な形で、太平洋との真のパートナーシップに取り組むことの重要性を再確認する。

 首脳は、気候変動、違法・無報告・無規制漁業及び経済発展を含む太平洋島嶼国の主要課題に取り組むことにコミットする。首脳は、ブルーパシフィックにおけるパートナーを通じたものを含め、単独で又は共同して、これに取り組む機会を見い
出すとともに、バイデン大統領及び岸田総理大臣は、尹大統領のパートナーシップへの参加の意図を歓迎する。
 

Ⅲ.経済的繁栄、技術的リーダーシップそして気候危機との闘い

 首脳は、インド太平洋地域及び世界の経済安全保障及び繁栄を強化すべく、ルールに基づく経済秩序を強化するための三か国の協力の重要性を強調する。

 岸田総理大臣、尹大統領及びバイデン大統領は、三か国政府間で経済安全保障についての対話を行っていくことに満足の意を表する。三か国は、地域及び世界の利益のために、我々の技術的リーダーシップを促進し、保護するため、連帯する。
 日米韓三か国は、安全かつ強靭なサプライチェーンを引き続き確保し、信頼性のある自由なデータ流通を促進し、日米韓三か国、地域及び同志国による重要・新興技術に関する協力を強化し、重要インフラを保護し、セクター内の環境、社会及びガバナンスに関する基準を高めるため重要鉱物の強靱で多様なサプライチェーンを強化する。日米韓三か国は、オープンRAN技術の利用を含めて、人工知能、量子情報科学技術、バイオテクノロジー及び次世代情報通信を含む新興技術のイノベーションと実装を進めるべく協力していく。日米韓三か国は、半導体サプライチェーンの多様化、研究・開発及び労働力開発に関するそれぞれのイニシアチブを連携しながら進めていく。日米韓三か国は、経済的威圧に一丸となって反対し、持続可能で透明性のある貸付慣行を支持する。

 首脳は、開放性、透明性及び包摂性の原則に基づき、インド太平洋経済枠組み(IPEF)を通じ、緊密に協力することにコミットする。首脳は、デジタル経済、強靱なサプライチェーン、クリーンエネルギー、持続可能で包摂的な経済成長を促進することに向けられたその他の優先分野を含む、優先課題における経済的関与を深化する包括的なIPEFを構築するために協働することで一致する。岸田総理大臣及び尹大統領は、バイデン大統領が来年APECを主催することを期待する。また、首脳は、経済成長を促すため、平等な機会と良質な雇用へのアクセスにより、女性のエンパワーメントに向けた措置をとっていく。我々の民主主義と経済の強さは、女性の完全な参加によってもたらされる。
 日米韓三か国はまた、インド太平洋地域の新型コロナウイルスからの回復を支援し、将来のパンデミックへの予防、備え、対応のために健康安全保障を強化し続けていく。パンデミックに対する備えに向けたそれぞれの取組を連携させることにより、日米韓三か国は、インド太平洋地域全体が、将来の健康への脅威に、より良い態勢で臨むことができるよう取り組んでいく。

首脳は、直近の国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)で強調された、気候危機に対処する緊急性を強調する。日米韓三か国は、クリーンエネルギー経済の成長を加速させるためのグローバルな野心を強化し、気候変動の最も破壊的な影響を防ぎ、低中所得国が気候変動の影響に対する強靱性を構築できるよう支援するため、国内において、また、パートナーとともに、協働していく。日米韓三か国全てが、COP27においてネット・ゼロ政府イニシアチブに参加し、2050年までに各国政府の活動からのネット・ゼロ排出を達成することにコミットした。また、首脳は、排出削減に不可欠なものとして、原子力、次世代蓄電池、クリーンな水素とアンモニア、二酸化炭素回収・貯留のようなクリーンエネルギーのイノベーション及び展開の重要性を強調する。

 岸田総理大臣、尹大統領及びバイデン大統領は、自由で開かれたインド太平洋に向けたコミットメントを確認し、この目標に向けた三か国のパートナーシップが引き続き地域の全ての人々に利益となり続けることに対する自信を表明する。首脳は、インド太平洋に対するそれぞれのアプローチを歓迎し、包摂的で、強靱で、安全な、自由で開かれたインド太平洋を連帯して追求することに一致した。首脳は、様々なインド太平洋戦略の実施について、緊密に協力することに一致した。