中国がTHAAD問題で「三不を守れ」と主張 | すずくるのお国のまもり

すずくるのお国のまもり

お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎再燃したTHAAD論争…中国「三不を守れ」、米国「中国の安全保障を脅かしてはいない」

 

 

 朴振(パク・チン)外相の訪中を前に再び火が付いたTHAAD論争 朴外相の「三不維持は難しい」との発言に中国が圧力「慎重に行動せよ」 米国「THAADは防衛目的で配備」「同盟間の協議で運用される」 米国防総省と国務省も中国に対して同時に反論
▲在韓米軍の高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の砲台。2017年9月7日撮影。/韓国国防部映像共同取材団
 中国が韓国に対し「在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)三不」の維持を求めていることについて、米国防総省と国務省が「THAADに関する決定は韓米の合意に従う」「THAAD配備は韓米同盟の決定事項」と反論した。「THAAD三不」とは2017年10月に当時の文在寅(ムン・ジェイン)政権が中国によるTHAAD報復に対処するため、「米国のMD(ミサイル防衛)に参加しない」「THAADを追加配備しない」「韓米日軍事同盟はしない」と表明し、これが「軍事主権の放棄」として大きな問題になった事案だ。中国政府が先日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権に対し「THAAD三不を守れ」とメディアの前で要求したため、これに米国が「THAADは韓米両国が決めたこと」として中国の干渉に不満を示したのだ。韓国外交部(省に相当、以下同じ)の朴振(パク・チン)長官の訪中を前に「THAAD三不」が韓中両国の懸案として再び浮上した形だ。
 米国防総省のマーティン・メイナード報道官は28日(現地時間)、米政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」に出演した際「THAADの配備と運用に関するいかなる決定も(韓米)両国の合意に沿って行われる」「THAADは外部の脅威から韓国の主権を守り、敵を阻止するため韓国政府の要請を受け韓半島に配備された。安全で信頼できる防衛システムだ」と述べた。米国務省報道官室も29日(現地時間)「米国と韓国は(2016年に)純然な防衛目的でTHAADを韓国に配備する同盟としての決定を下した」とコメントした。国防総省と国務省のいずれもTHAADについて「全面的に韓米同盟の事案」と強調し、「中国による三不合意維持の要求を一蹴した」と解釈されている。
 中国外交部の趙立堅・報道官は7月27日の定例ブリーフィングで「韓国は2017年にTHAAD問題について丁重な立場を表明した」「新しい指導者は過去の負債を無視できない。隣国の安全保障に関する重大かつデリケートな問題に対して韓国は引き続き慎重に行動すべきだ」と述べた。文在寅(ムン・ジェイン)前政権が2017年に表明した「THAAD三不」を尹錫悦政権も継承するよう公式の場で要求したのだ。中国国際問題研究所の楊希雨・研究員は中国国営のグローバルタイムズに「THAAD三不の約束を撤回すれば、両国関係と尹錫悦政権への信頼に大きな傷が付く」と指摘した。