ポール・ホーケン編著「ドローダウン 地球温暖化を逆転させる100の方法」を読みました。

 

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本書は、桐村里紗さんの著書で触れられていて、興味を持ちました。調べてみると、ベストセラーになっていて、とても人気がある本でした。地元の図書館にも置いてありました。

 

本書では、地球温暖化を逆転させる具体的な方法を紹介されていて、いま世界中で読まれています。分厚いですが、カラー写真豊富なうえに、一つ一つのテーマが簡潔にまとまっているので、読みやすいです。

 

たくさんの「方法」のなかで、私の興味を引いた3点を以下に書き留めます。

 

堆肥化(コンポスティング)

 

すべての生き物と同様に、人間も廃棄物を出しますが、その廃棄物が人間特有の問題になることがあります。世界中で出る固形廃棄物の半分近くが有機物、すなわち生分解されるものです。つまり分解されるのに数週間から数か月かかるということ。

 

食糧廃棄物、そして庭や公園から出るごみ扱いの葉。何千年もの間、この廃棄物は自然界の秩序に戻っていましたが、現代では大量の有機廃棄物が埋め立て地に行き着きます。そして、酸素がない状態で腐敗し、強力な温室効果ガス、メタンを放出します。

 

堆肥化は、埋め立て地の分解のようにメタンを生成するのでなく、有機物を安定した土壌炭素に変え、植物が利用できるようにします。堆肥は貴重な肥料となります。それはごみが宝になるようなもの。堆肥化は、土を強健にしながら、大気に温室効果ガスをださない方法です。

 

【私の感想】

私が庭でやっている「コンポスト」は、有効な「ドローダウン」へ向かう方法と知り、嬉しくなっています。日常のほんの少しの行動だけですが、地球全体の問題にプラスになる行動と思えると、やる気も高まります。落ち葉をゴミ回収の袋にいれて、近所のゴミ置き場に置かれているところを見かけると、「もったいないなあ」と思うようになりました。私も一年ちょっと前には庭の草取りをしたものをゴミ回収に出してしまっていましたから、言える立場ではありませんが。

 

 

歩いて暮らせる街づくり

 

都市計画の専門家がすぐれた設計をして、歩きやすい地域を作ります。車を利用する必要性を最小限に抑え、便利さを訴えるものに頼らない選択をするということ。歩行者志向の都市環境再生が極めて重要です。

 

人が歩くことを選ぶ4つの条件

1、徒歩移動が有益であること

2、安全と感じること

3、快適であること

4、興味をそそること

 

家、カフェ、公園、店、オフィスが歩いて行ける距離で混在していること。歩道が広く、スピードを出して通り過ぎる車やバイクなどから保護されていること。歩道が広く、街路樹があって、日中は日陰ができること。

 

歩きやすい都市が成功するには、出かけるには歩くのが一番いい、再びそう思える街になる場合なのです。

 

【私の感想】

私はいまの住まいのある秩父市の中心部に住むようになって、とても良かったと思えるのは、職場まで徒歩で通勤できることです。毎日適度な運動が自然にできるし、苦手な運転もせずに済むし。休日のウオーキングやランニングでも、羊山公園や秩父神社を始め、札所34か所など、見どころのある散歩コースがあって、飽きません。街中は、歩道も広く整備されつつあって、快適です。お花畑駅と西武秩父駅へ徒歩で気軽に行けるのも嬉しくて、休日には子どもと電車に乗って、出かけます。

日常で、歩くことを楽しくできていれば、車での移動を減らせて、排気ガスを出さずに済みます。

 

木造建築

 

産業革命以降、スチールとコンクリートが支配的になり、木材の使用が減少。それが変わり始めています。

 

木造建築には2つの重要な利点があります。まず木は成長するにつれて、炭素を吸収して隔離します。その炭素は建築材料になった材木にも蓄えられています。持続可能性に配慮した方法で伐採し、加工した材木が炭素を隔離する限り、このサイクルは続きます。

 

もうひとつは、建築材料の生産過程で排出される温室効果ガスは、木材の代替品を生産するより少ないという利点。コンクリートなどの建築材料に使われるセメントは、世界排出量の5~6%を占める排出の原因になっています。スチールの梁の製造には、集成材の製造よりも6~12倍の化石燃料が必要です。

 

【私の感想】

鉄筋コンクリートよりも、木造建築が地球のために良い。そう思うと、私の木造の自宅も木にこだわって作ったものですので、嬉しくなります。最近、私の地元でも、秩父宮記念市民会館、横瀬小学校、小鹿野町庁舎など、ぞくぞくと地元の木を使った建築物が建てられています。その社会的な意義が少しですが、つながって理解できた気がします。石灰石でできた武甲山を削らずに、持続可能な範疇で材木を伐採するのが良さそう。

秩父市、横瀬町、小鹿野町で行われている事業を応援したい気持ちが強くなりました。

 

それに、単純に、木のぬくもりを感じられる建築は、カッコいいし、居心地も良く思います。

 

ありがとうございました。