「埼玉たてものトラベル」という本を楽しみました。
 
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本書は地元の図書館でたまたま目に留まりました。本書は、古い建物をめぐる写真集のようになっていて、県内の近代建物のカッコよさの一端が味わえます。

 

古い建物というと神社仏閣のように思っていましたが、明治、大正、昭和の洋風建築には、学校や古民家など様々な施設があります。それらには、当時の日本の文化がかみ合ったような独特の美しさがあります。本書を眺めていると、それぞれの洋風建築の実物を訪ねて歩きたくなります。

 

深谷発の煉瓦建築

渋沢栄一が設立した日本煉瓦製造会社。当時の明治政府は、欧米同様に文明化を目指し、ドイツの技術者を招き、今の深谷市にレンガ工場を建設した。

 

現在は、その日本煉瓦製造の建物が「煉瓦史料館」として公開されている。

レンガを運ぶ専用鉄道の姿を偲ぶ鉄橋が深谷市原郷のブリッジパーク内に残されている。

 

・深谷商業高等学校記念館

・誠之堂

・清風亭

など深谷市に残され、見学可能な建物がある。

 

【私の感想】

大河ドラマで思入れが深まっている渋沢栄一。彼のゆかりの建築で、しかも煉瓦のカッコいい建物!これは絶対に行って生で観ようと思いました。深谷であれば日帰りで見に行けますし。

東京駅や法務省、日本銀行もカッコいいですが、まず近い距離にある深谷に、まだまだ良いところがありそうです。

 

秩父の印象的な建物

・旧秩父セメント第二工場

ホテルオークラ東京の本館ロビーや帝国劇場を設計した谷口吉郎の設計による。

 

(建築史家の藤森照信先生のインタビューより)

旧秩父セメント第2工場は素晴らしいですね。入り口から、巨大な煙突や工場棟を眺める景色は最高です。よく、このような工場ができたと驚きましたよ。

 

・ちちぶ銘仙館

繊維工場として建てられたシンプルな外観に、昭和5年当時の趣がうかがえる。銘仙館全体のシンボルになっている工場棟のノコギリ屋根と、後方にそびえる武甲山とのツーショットはベストな組み合わせだ。内部もレトロな雰囲気で、漆喰に板張りの壁などが、なんともおしゃれ。

 

・泰山堂カフェ

 建物は、秩父銘仙の取引所として昭和初期に建てられた長屋のひとつ。ノスタルジックな店内はアンティーク家具やインテリアが並び、ゆったりとした時間が流れる。

 

【私の感想】

セメント工場や銘仙館は、私にとっては身近な存在でしたが、「おしゃれな建物」として鑑賞してみたことがなかったので、そんな視点でまた観てみようと思います。

自分の携帯にも、その二つの写真がありましたので貼っておきます。

 

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近代建築の巨匠・前川國男

日本の戦前・戦後の近代建築に大きな足跡を残した人物。弘前市庁舎、東京都美術館などを設計。埼玉県内でも「マエカワ建築」を見ることができる。

 

・埼玉の文化の拠点・埼玉会館

 埼玉会館は90年近い歴史を持つ。敷地の高低差を活かし、建物の60%を地下に配置した特徴的な建物だ。

 

・埼玉県立自然の博物館

 自然いっぱいの長瀞町にある。開放的なエントランスの天井には、大きなサメ「カルカロド・メガロドン」が泳いで⁈いる。

 

【私の感想】

埼玉会館も、自然の博物館も、何度も訪れたことがありましたが、そんな有名建築家の設計とは知りませんでした。また行く機会もきっとある施設ですので、あらためて外観を眺めたり、ロビーを見上げてみたりしよう、と思います。楽しみです。

 

本書で、近代建築を楽しむきっかけをもらった気がします。近場のお散歩がますます楽しくなります。

 

ありがとうございました。