ワルデマール・アベク「100年前の世界一周」を読みました。

 

 
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本書は、姿勢治療家・仲野孝明先生のポッドキャストやメルマガで話題になっていました。

地元の図書館にも置いてありましたので、早速借りてみました。

 

1905年、ひとりのドイツ人青年が世界を旅して撮った写真たち。本書にはそれらが多く掲載されています。

実に116年も前!アメリカ、朝鮮、中国、インドなども行っているのですが、彼は日本で4カ月を過ごし、特に印象に残っているとのこと。

 

日常の隅々にまで芸術が行き渡っている

 

富士山、上野の桜、別府温泉など、今も有名な観光地へ。それに、都会や観光地だけでなく、好んで田舎も巡っています。

 

日本の時代は明治。開国して、軍隊をつくり、帝国国家を作り始めたところです。

交通手段は、馬車、舟、そして人力車。

 

当時の日本の家屋は木造で、室内は掛け軸や生け花だけで飾られていました。生け花は「多くの花を生けるのではなく、一本だけ選び小枝と組み合わせてあります。自然で優雅な組み合わせの中で、花は感動的なほどに際立つ」と印象を語っています。

 

【私の感想】

簡素な和室、庭、舟、馬車がいる風景。これが116年前の日本か、と感慨深く眺めました。最近の私が憧れる、多くの物をもたない、「簡素な暮らし」が実践されている様子が伝わってきました。かつての日本人には、簡素な和室に、掛け軸や生け花を飾り、「芸術的な」センスを発揮されていました。

 

下駄と着物の生活

 

姿勢治療家・仲野孝明先生は本書を紹介しながら、当時の下駄と着物の生活に着目していました。

かまどでご飯を炊く、薪を割る、洗濯物を手で洗う、和式トイレ、外に洗濯物を干す・・・

 

そんな暮らしでの体の使い方。現代と大きく変わっています。

 

生活動作で、股関節や体幹を使う動作・足裏3点をしっかり使う動作が当たり前。現代のようにスマホを見て猫背になることはありません。

 

【私の感想】

本書の中で、日本の方たち履いているのは、下駄、ワラジ、そして裸足。日常生活の中で、バランスを保つのが必要な動きをしていて、自然と効率的な体の使い方が出来ているのでしょう。スポーツジムなど不要なわけです。

現代では、スマホやPCを多く使って、椅子に座っているのが多い生活です。だから、別に時間を取ってトレーニングする必要がある。どちらが効率的な生活なのか、わからなくなってきます。

 

100年で生活様式がガラリと変わっている

 
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【私の感想】

本書を眺めて、読んで、私の率直な感想です。100年って、人類の歴史からみたら短いけど、明治から令和の100年の生活様式の劇的変化には驚きます。

100年まえに世界を旅した青年がいて、彼が撮った写真をカラーでみられることに感動しました。100年前の空気感を少し感じられた気がします。

 

ちょうど先日観たドラマで、渋沢栄一こと篤太夫が当時のパリを訪れて、衝撃を受けたのとも繋がりました。日本は、明治維新で開国し、一気に近代化をしていくわけですが、同時にわたしたちが持っていた良き文化も、忘れてしまっていったのかもしれません。

 

私も、かつての日本人の簡素な暮らし、美的センス、体の使い方、そういったものを見なおしてみたいと思いました。

 

ありがとうございました。