谷口ジロー著「歩くひと 完全版」を読みました。

 
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本書は、facebookの友人の投稿を見て知りました。私の最近の休日の楽しみは、ランニングと並んで「散歩」です。私に合っている本かもしれない!「歩くひと」のタイトルからそう思って、読んでみました。

 

本書は、マンガです。そういえば最近、あまりマンガを読んでいませんでした。私はかつて、マンガを沢山読んで、コレクターのようにレアなマンガ本を集めていたこともあったのに。遊び心が足りていなかったかもしれません。

 

散歩ブーム到来か

 

「歩くひと」の主人公は、近所をのんびり散歩します。目的をもって歩くというより、そのときの時間や、たまたま出くわした面白いことを楽しんだりします。セリフは少ないです。その風景や間が楽しく感じます。かつて読んだ、つげ義春の「無能の人」も連想しました。でも、つげ義春作品よりも、能天気で楽しく、私の今の気持ちに合っている感じ。読んでいて、散歩している気分になれて、心地よかったです。

 

精神科医の樺沢紫苑先生が、「朝散歩」を推奨しています。そんな影響もあってか、私の見るSNSには散歩されている方の投稿がよく目に留まるようになりました。心身の健康によいから歩く「朝散歩」だけでなく、単純に歩くことの楽しさを「歩くひと」が教えてくれる感じもしました。私は観ていませんが、「歩くひと」はドラマ化もされているんだそうです。ますます散歩がブームになりそうです。

 

ありふれた日常を楽しむ

 

コロナ禍の影響もなのか、私のシンプル生活への趣向の変化なのか、ありふれた日常に楽しみを見出そうとする「歩くひと」に共感します。話題のスポットに出かけて行列に並ばなくても楽しさは近くにあります。

 

「歩くひと」の舞台は、東京都清瀬市らしいです。話題の観光スポットもなければ、歴史的な史跡があるわけでもない住宅街があるような地です。それでもマインド次第で、楽しい散歩になるってことに気づきます。ありきたりの表現になりますが、「本当の豊かさ」とはそういうところにあるんだと思います。

 

「歩くひと」はたまたま出会った鳥や貝殻の名前を調べたりします。そのためにわざわざ図書館に行ったり。時間がゆったり流れています。

 

私は最近散歩をしていて、近所のお宅の庭づくりや、道端に生えている雑草にも興味をもって眺めるのも楽しかったです。自分の内面にある興味のアンテナの張り方で、周りの見え方も変わってくることに何となく気が付きました。

 

ときにはワイルドに

 

「歩くひと」は、ときにワイルドです。裸足になって木に登ってみたり、プールに勝手に入って全裸で泳いでみたり、桜の木の下で寝転んでみたり、夜中に急に階段を駆け上がったこともありました。

 

季節を感じたり、懐かしい物に触れたりすることもあります。たまたま丘を見つけてバスを降りて、登って見るのも楽しいです。身近に新たな発見があるにワクワクします。私住んでいる秩父にもまだまだ知らない景色があったりします。

 

私も、散歩やランニングで、たまたま目についた通ったことない路地を行ってみたりします。そういう楽しみとつながり共感します。下駄やサンダル、ときには裸足で、感触を味わうこともします。「歩くひと」がはだしになったり、寝転んだりするワイルドな感じ、自由な感じも、近い部分を感じて、読んでいるときは、本当に穏やかな時間でした。

 

お休みの日の夕方、ゆったりした時間に読むのにぴったりな本でした。

 
先週の私のお散歩での写真

 

 
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ありがとうございました。