Facebookでお友達になった方から誘われて、「飯能ベアフットマラソン」という裸足で走るマラソン大会に初めてエントリーしました。517日に開催予定だったのですが、コロナの影響で中止。それでも裸足ランニングを試してみたくなり、独学でやってみることにしました。

 

読んでみた本は、吉野剛著「裸足ランニング」。著者は、日本ベアフットランニング協会の理事長で、裸足ランニングの第一人者の方です。本書では、裸足ランニングについてわかりやすく解説してくれています。

 
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足裏の神経が刺激され、体全体が生き返る

 

足の裏にはたくさんの神経が通っていて、それらを刺激すると脳や筋肉が活性化される。シューズを履いていると、刺激が遮断されてしまい、視覚と内耳にある平衡感覚だけでバランスをとることになってしまう。裸足で走ることで足の裏の感覚が研ぎ澄まされ、体全体が活力を取り戻す。足の裏で「地面をつかんで走る」という感覚も次第にわかってくるはずだ。

 

まずは芝生の上で歩いたり、軽くジャンプしたりといった簡単なものからはじめよう。

 

【私の感想】

靴を履くことで、人類が本来持っていた感覚を退化させてしまっているのかもしれません。私は、「BORN TO RUN 走るために生まれた」という本などから影響を受けて、日常のランニングでは、ルナサンダル、ビブラムファイブフィンガーズ、ランニング足袋無敵などを使っています。これらはいずれも、なるべく裸足の感覚に近いもの。私がやりたいランニングは、「ケガをしない」「気持ちがいい」「長く続けられる」というものなので、流行の厚底シューズのような速く走る目的のものは要りません。その究極は、裸足のままで走るというところへ行きつくわけです。

 

実際やってみると、アスファルトは痛くてとても走れませんでした。芝生の上でやってみたら、気持ちよく走れる感じがありました。裸足で走ってみたのは、5分くらいのものだと思いますが、その後ルナサンダルを履いて走っていても、足の裏の感覚が「研ぎ澄まされて」、本来の力を取り戻した感じがありました。

 
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裸足ランニングの走り方

 

 普通のシューズを履いて走るランニングとの違いは、着地の仕方。カカトで着地する一般のランニングに対して、裸足ランニングではフォアフット(前足部)で着地する。体の真下で着地し、基本フォームは前傾姿勢だ。走っているときに頭の上下動がなく、水平に保たれる。

 

カカト着地には、重心が内側にかかるプロネーション(回内)の動きがつきものだ。過度のプロネーションは、シンスプリント(スネの鈍い痛み)の原因になる。そのため、シューズには中足部に固い素材をいれて、オーバープロネーションを和らげる工夫がなされているものもある。ところが、これがかえってケガの原因をつくりだしている可能性がある。

裸足ランニングは、足にかかる衝撃を体がもっているバネで吸収する。

 

「バネを使う」というのは筋肉の伸縮運動。裸足ランニングでは、前足部で着地しヒラメ筋が伸ばされる。地面から離れるときにはヒラメ筋が短縮するので、その反動を利用して、より大きな出せるのだ。

 

【私の感想】

私の履いている五本指のシューズ(ビブラムファイブフィンガーズ)の底を見ると、カカトが一番擦り減ってしまっています。前足部での着地を意識して走ってみます。それには、「体を前に傾けて自然に足を出す」とのこと。私が本で読んだ、「チーランニング」や「ナンバ走り」と同じことを言っている感じです。人間の走りを本来の形にしていくのが、裸足ランニングのやり方のようです。

 

裸足ランは、ケガに強い理想の走り方

 

シューズは毎年改良を加えられ、性能は向上している。しかし、実際は多くのランナーがケガに苦しんでいる。

 

1987年、裸足で4ヶ月歩いた人の足底筋が柔らかくなり、足自身が持っているクッション性が増したのではないかという実験結果が発表された。このことから、アーチを形成する筋肉を、シューズが弱体化させているのではないかと考えられた。

 

また1984年、着地時のプロネーション(足首の回内)の角度が調べられた。裸足では0~4度と小さかったに対し、スポーツシューズでは10度、オーバープロネーションを防ぐ中敷きが入ったシューズでは17度という結果が出た。これはシューズが逆にネーションを強めているという結果である。足の動きを不自然に矯正すると、本来持っている足の機能が失われてしまうのだ。

 

 シューズを履く人と裸足のランナーがほぼ半数ずつというハイチのランニングクラブではシューズを履いている人のほうがケガが多く、現地の人たちもシューズがケガの原因だと考えているという。

 

【私の感想】

学術的に、シューズを履くより裸足のほうが体に良いと証明されたわけではありませんが、裸足ランの実践がケガに強くなる可能性を秘めていると思います。

 

私も11年前、走り始めた頃は膝の痛みに苦しみ、ホノルルマラソンで足を引き摺って歩いてゴールに辿り着いた経験は強く私に残っています。その頃履いていたのは、足底に入ったゲルが衝撃を吸収し、膝の負担を減らすという初心者向けのシューズでした。結構高価だったのに。

だから、ケガをしない走りを身につけたし、ケガをしないシューズを使いたいという思いをずっと持ってきました。

 

自分に合うシューズを選ぶというのは難しいもの。人間の持つ本来の動きを取り戻すのに、裸足ランが有効に働きそうです。私も裸足ランを実践して、自分の力を発揮した、気持ちのいい走りができるようにします。

 

ありがとうございました。