鏑木毅著「日常をポジティブに変える 究極の持久力」を読みました。

私の今の興味にマッチして、すごく面白かったです。

 

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著者の鏑木氏は、プロのトレイルランナー。「持久力は何歳になっても向上できる」との考えから、50歳で世界最高峰のレースに挑戦するなど、自らの競技で実践されています。

その考えは、単なる「気合い」だけでなく、納得できる理論に基づいていました。

 

 ここで言う「持久力」とは、単に心肺機能をさす言葉ではなくて、できるだけ疲れず、できるだけ長く動き続けられることができる能力のこと。これは24時間走り続けるトレイルランニングならではの考え方ですが、要は、いま身体の中に蓄えているエネルギーを、いかに効率的に活用できるかが勝負を分けるのです。

 

血糖値の上がりにくい身体になること

 

筋肉よりも軽量な脂肪を、エネルギー源として活用できれば、持久力がアップできる。

糖ではなく脂肪をエネルギーに使うには、脂肪が燃焼しやすい体質をつくりあげること。それには、血糖値の上がりにくい身体になることである。

 

日頃から糖類を多く摂っていると、人は血糖値があがりやすくなり、脂肪エネルギーよりも糖エネルギーを使うことが優先的になってしまう。だから「低糖」の食事法が、持久力向上に効果的なのである。

 

白米を玄米に変えることから始めるのもよい。パン食なら、全粒粉の商品を選べば、いつもより糖質を抑えることができる。

 

 炭水化物を食べるにしても、食べる順番に少し配慮するだけで、血糖値の上がり方は大きく異なる。例えば、空腹の状態でいきなり白米をかきこむと、血糖値は急上昇してしまう。最初に野菜、次におかず、最後に白米を食べるように意識するだけで、血糖値の上昇が抑えられる。

 

 

【私の感想】

 私のダイエットで効果の上がった「ごはんの量を少なくする」ということが持久力を上げることにつながると理解でき、うれしく思いました。

 

マラソンランナーには、マラソンのレース前は「カーボローディング」と言って、ごはんやパスタなどを多くとる炭水化物中心の食事が勧められています。それは、やはり数時間のレースのための食事法なのかもしれません。鏑木氏の勧める「低糖」は、長時間疲れずに走り続ける「トレイルランナー」の勧める食事法。これこそ、私が日常の仕事をする上でも役立つ「持久力向上」だと思います。

 白米の量を減らしてみる、白米を食べる順番を後にする、この二つは私がすぐに実践できることです。

 

「低糖生活」の注意点

 

炭水化物を控えることが低糖生活の第一歩である。

ただし、身体が慣れないうちに急激に糖の摂取を減らし過ぎると、コンディションに悪影響を及ぼすので注意が必要。体脂肪を使う体質が出来上がっていない状態で糖をカットすると、エネルギー不足で力が出なくなったり、モチベーションが低下したり、一日頭がボーっとしてしまったりなど、様々な作用が起こる。

 

こうした身体の反応には個人差があります。少しずつ糖を減らしながら、自分に合ったペースを見極めなければなりません。

 

脂肪エネルギーを最大限に活用するためには、糖を摂りすぎてもいけないし、減らし過ぎてもいけない。これはバランスの問題。

 

【私の感想】

 せっかくのヒントをもらいましたが、いきなりごはんを減らし過ぎて、ふらふらになっては元も子もありません。私が「低糖」を良いと思うのは、痩せる目的ではなくて、日常の仕事も運動もパフォーマンスを更に上げたいから。だから、日常の小さな心がけから始めたいと思います。

 

心の持久力=「持久脳」を育む

 

辛さや苦しみを伴うジャンルほど、心にも持久力が必要。何かをやり続け、成し遂げられる心のスタミナを著者は、「持久脳」と呼ぶ。

 

脳の機能には、アステキサンチンが有効。アステキサンチンは、「抗酸化」の効果がある。体内に発生する活性酸素を速やかに取り除く。著者は、サプリメントでアステキサンチンの摂取を欠かさずして、てきめんな効果を実感している。

 

 脳の疲労を回復するのに、著者が勧めているのは「真逆の行動」である。山道を走り続けた後は、海岸の風景をぼんやり眺める。海に行くような時間がとれないときは、歴史小説に没頭するなど、山やランニングを想起させない世界に入り込むようにしている。著者は就寝前には、司馬遼太郎作品を読むことをルーティンにしている。安眠を得るために「司馬遼太郎作品は必需品」である。

 

【私の感想】

著者は高校、大学、社会人と、多くの挫折を経験していることがよくわかりました。こういう弱さも晒してくれると、非常に本の内容に引き込まれます。挫折の経験があったからこそ、ストレスに向き合い、心を鍛える重要性も説得力を持って伝えています。

 

著者が摂取している「アステキサンチン」は食事で摂るのは難しく、サプリメントで摂るのが一般的な方法のようです。私はすぐに試さず、まずは「低糖」から実践してみます。

 

「脳の疲労を取る」という意識では、「真逆の方法をとる」は大いにヒントになりそうです。今の私の仕事は、人と話すことと、デスクワーク。だから、「ひとりで体を動かす」というのが真逆の行動です。私にとって、ランニングは有効なストレス解消です。

それと、読書は仕事の関連のものより、まったくそれらを想起させない世界に浸かってみるのも脳の休息に良さそうです。

 

ありがとうございました。

 
先日の日曜日、鏑木さんに刺激を受けて、いつもより長い距離のランニングをしました。
 
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