職場で、介護職員が病欠した場合などに、リハビリ職員に介護リーダーから「手伝い」の要請があります。あるいは現場の状況を見て、リハビリ職員の方から「手伝い」に入る場面があります。

 よくあるのが、通所であれば「送迎の添乗」、入所であれば「食事介助」や「食堂への移動介助」です。

 私は入所の担当をしていますので、最近はときどき食事介助に入ります。そうすると、利用者の食べる姿勢、スピード、食べる量などがよくわかります。ちょっと食堂に見に行って、姿勢だけを直すということは、以前からやっていました。しかし、実際の介助に入ってみて、ちょっと見ただけでは気付かなかったことに気付くことができました。




 そこをシーティングに取り入れます。更にリハビリのアプローチにも繋げられると、非常に意味のある関わりになります。セラピストとして、単に介護スタッフの手伝いに終わるか、強みを出せるかは大きな違いです。

 介助に入ったときに、セラピストとしての強みを発揮できるか?そこが老健で働くセラピストの腕の見せ所になるはずです。(そうは言いつつ、私自身もまだまだ、単なる介助の一員にしかなれていないことの方が多いのですが・・・)

 「介助の場面がセラピストの腕の見せ所」。そう考えられると、「手伝い」の要請にも積極的に応じられます。
実は私も、現場からの要請があってから、渋々応じていました。「こなさなきゃならない単位数がまだできていないのに」とか「1件でも多く個別リハビリに入った方が、短期集中リハビリ加算の算定ができて、収益につながるのに」とか思いながら。

 でも、目の前の加算件数を積み上げるよりも、利用者にとって役立つ介入に繋がることをしていった方が長期的には施設にとって価値のかる関わりになります。

だから、介護スタッフが足りない場面は、「手伝い」という感覚ではなく、協働していく上で、「当たり前のこと」であり、「腕の見せ所」と捉えていきたいものです。