富士山頂上で食べるカレー(山口屋) | すずきBのブログ「B's Blog」 Powered by アメブロ

富士山頂上で食べるカレー(山口屋)

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初めて霊峰・富士に登った。
通ってるジム「515」のオーナー、ヒロミさんが発起人の「大人の登山部」。
ジムのスタッフや、通ってる皆さんと。

富士登山。
今年は世界遺産になって、8月はものすごく混んでるという。
頂上でご来光を拝もうとすると、時間がかかるため、
それを避けての平日の日帰り登山だった。

月曜の深夜0時に恵比寿を出て、
火曜の早朝5時、ご来光とともに登り始め、
お昼に登頂、夕方下山し終えて、
夜、恵比寿に戻る、というスケジュール。

結果、混雑することもなく、ほぼ予定どおり。
これは大正解だし、意外だった。
つまり「1日あいてれば、富士山に登頂できる。」
そう聞くと、富士登山が、グッと身近に感じる人も多いのでは?

静岡ケンミンとしても夢だった、富士登山。
全てが新鮮。
全てが刺激的。
下山が想像以上につらかったけど、終わってみれば楽しい1日だった。
だが、経験して分かったこと、ガイドブックには書いてないこと(見落としてたのかな?)、
誰も教えてくれなかったことがたくさんあったので、
今後、富士登山する人のためにメモっておく。
スケジュールも含め、参考に。

月曜の23時、恵比寿のジム前に、約20が集合。
24時に大型バスで出発し、移動中、車内で仮眠。
早速、「そうか、しまった」と思ったことが…。

登山の格好で、荷物を全てザック(=リュックのことね)にパッキングし、
必要最低限の荷物で行くもの、だと思っていた。
だが違った。
今回は貸切バスなので、登山に不要な荷物はバスに置いておける。
(そこ、事前確認しておくべきだったw)

登山靴は履いて行ってもいいが、バス内でくつろぐためのサンダルや、
普段用の靴を持って行くべきだった。
そうしないと、途中のサービスエリアに寄ったとき、
重くてて圧迫感のある登山靴を、
バスで脱いだり履いたり、あれが意外と面倒(笑)

そう、バスに置いてく用のサブバッグ必要。
そこに、帰りの私服(これも忘れた)やアルコール類、
つまみ類も入れていくべきだった(笑)

寝酒でも飲まなきゃ仮眠できない。
ご存知のように、高速サービスエリアには、アルコールは売ってない。
飲酒になるから、らしいね。

バス内、奥のほうでは、旅慣れた大人たちが、
ちゃんと酒を持ち込んでやりはじめてる。
いいなあ(笑)。
仕方なく僕は談合坂サービスエリアで手に入れた「ノンアルコール」と書かれたワインのボトルを買う。
が、これが、飲んだら、ただの葡萄ジュース!!(笑)
まったく酔えない(涙)
車内で仮眠するには寝酒は必需品ね。

4時頃、起床し、5時頃、まだ暗い富士スバルライン5合目駐車場に降り立つ。
さすがに肌寒い。
冬って感じ。
この日のために買った高度計付き時計、プロトレックスを見ると、
既に標高2000Mを越えている。
え、あと1800Mもないの?と一瞬、思う。

「これから、あそこに向かう、あれが頂上ね」とヒロミさんが指さした茶色い山。
「嘘でしょ? あれが富士山なの?」
5合目から見上げる富士山は、思いのほか小さく、茶色く、正直、情けない姿。
「なんだ、余裕じゃね?」と勘違いするほど(笑)。

服装だが、一番下に半袖Tシャツ。ジョギング用などの速乾性のものがいい。
その上に、脱いだり来たりできる長袖。
これで寒かったら、その上に、レインウェア。
(モンベルの小さく畳めるダウンも持って行ったが使わなかった)

そうそう、レインウェアは富士登山に、とても大事。
天気はころころ変わり、雨が降ったり霧が出たり、
基本、必ず「濡れる」。
なので、ザックのすぐ出せるところに入れるか、着てスタートする感じ。
今回も、メンバーはみんな、ずっと、ほぼレインウェア。
たまに暑くなると上だけ脱ぐ、って感じだった。

歩き始めると、タイミングよくご来光。
ここでの記念写真は、まるで頂上でのように美しい1枚が撮れた。

6合目、7合目……。
想像してた登山と、まるで違う。
ほぼ、岩登り。鎖やロープを手繰りながら、這い上がる。
ここで役立ったのが、軍手と、ポール(=ストック、杖)。

今回、事前に道具を買いそろえるにあたり、
最後まで、「そこまで要らないでしょ?」と思って迷ったポール。
だが、結果的に「これがなかったらヤバかった、買って大正解」と思ったグッズ。
これを使って登ると非常に楽だし、安全。
(下山では、登りの何倍も重宝)

登山靴も、途中、岩場で足をグギってしたとき、「この靴じゃなきゃヤバかったな、いま」
と何度も思った。
道具は大事。

そういえば、登山中、超軽装なガイジンに何度も遭遇。
Tシャツ短パン、ビニ傘で登山してたが、無事下りられたのかな?

7号目を超えると、酸素が薄くなってるのがひしひし分かる。
普通にゆっくり登っているだけなのに、
心臓がバクバクしていて、自分でも大丈夫なのか、俺?と不安になる。
呼吸は、大きくゆっくり吸って、口笛を吹くように、ゆっくり細く吐くよう言われた。
だが、それをすると、僕は、なんだか頭がクラっとして、不安になった。
すぐ酸素(ポケットに入る、小さくて良いのがある)を取り出して、思いっきり吸う。
すると、頭がすっきりして、楽になる。
途中、10回以上、これをした。
最後まで平気だったが、あれを買わずに行ったら、きっとヤバかったはず。

意外とよく目にしたのが、ぐったり座り込んでる、高山病らしき、小学生とその親。
「夏休みに親子で富士登山」、というのも憧れるが、
あの光景を見ると、なんだか、大人のエゴに子供がつきあわされてる感じで、
かわいそうだったな。
あんまり無理して子供を登らせるものじゃないね。

8号目。これが意外と長い。
まだ8号目? まだ8号目? と延々と8合目の山小屋が続く。

いつの間にか汗びっしょりで、レインウェアを脱いだり、
休憩してると寒くなって羽織ったり。
持ってきた食糧を、仲良く分け合う。

いただいたもので感動的に旨かったのが、ドライマンゴー。
日ごろ食べるのと違い、実に甘く、ジューシーに感じるから不思議。

ついに9号目。
ここからは、意外にあっけない。
頂上が見えてくると、人も混み始め、最後の鳥居が見えたところで、それなりの達成感を得る。

頂上で、カレーが食べたい、そう思って登っていた。
疲れてフラフラ、頭も何だかボーっとしてるのだが、
山口屋という山小屋に座り、荷物を置いて、
ずっと飲みたくて飲みたくてたまんなかった、ビールとカレーを注文。

プシュ、乾いた喉にぐびぐび。
山頂でのスーパードライは、いつもより心なしか炭酸が強く感じられる。

そして、なんてことはない(恐らくレトルトであろう)普通のカレー。
コメの炊き具合も、ヒデコ(母親。米おたくなデブ)に言わせたら、「硬すぎ!」と怒られそう。
だが、富士山頂という場所で舌に感じるスパイシーさが、どこか懐かしく、
米をかみしめることに、何だかホッとする。

子供の頃、近所のスケートセンターで食べた安いカレー。
学生の頃、江の島の海の家で食べた安いカレー。
それが妙に旨く感じたように、やっぱり富士山頂で食べるカレーも、格別に旨く感じた。

しばし休憩し、みんなで記念撮影。
そして下山となる。だが、この下山が、想像以上の過酷な道のりだった。

速い人は、駆け降りるように、どんどん先へ行ってしまう。
膝が痛む僕は、ゆっくり、ゆっくり、歩くしかなく、どんどんみんなと離されていき、
前にも後ろにも誰もいない。
霧がたちこめ、ものすごい孤独感。
ここでもし崖から落ちたら、誰にも気づかれずに死んでいくんだろな、
そんなマイナス思考になったり。

ふと見ると、唯一、同じぐらいのペースのジム仲間(女子)がいて、
一緒に、なんだかデートのように下山することにした(笑)

しかし、この過酷な道は、いつまで続くんだ。
歩いても歩いても山小屋もなければ、景色も変わらず、
今どこにいるのかさえ分からなくて、嫌になる。

登りのように、高度表示の看板が見当たらない。
だがここで安心材料だったのは、プロトレックス(腕時計)。
高度を見て、少しずつ下りてるのを実感。

さらに、登り以上に役立ったポール(=ストック)。
そして、スパッツと呼ばれる、靴につける砂よけ。
下山は、砂利だらけで、これに足をつっこませ、雪道を歩くように下る。

ひたすら、ザクザク、ザクザク……
しゃべる気力もなく、静寂の中、僕と一緒に歩く仲間の足音だけが聞こえる。

コケないよう、足を砂利にうまいこと滑らせながら、
時にはジグザグに歩いて下りてみたり、
後ろ向きになって歩いてみたり、
足をVの字で開いて歩いてみたり、
ポールを長くしてみたり……
人は、誰にも教えられなくても、どうしたら楽か、
試行錯誤し、一番良い方法を見つける生き物なんだな。

しばらくすると、急に霧が晴れ、さっきまで茶色の砂利だったのが、
岩場になり、周りには緑がちらほら。
木々も生えている場所に出る。

やっとゴール。
長かった。
登り7時間、下り4時間。
最もポピュラーな吉田口ルート、歩行距離にして、14km。

天気はイマイチだったものの、
日本一の富士山に、登れた。
一生に一度は登っておきたかった富士山。
この経験は何物にも代え難い。
ヒロミさん、皆さん、お疲れ様でした。

もし次また登るとしたら、ゆっくりと、泊まりがけで、
しかも天気の良い日に行ってみたい(笑)


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