すし処めくみ(石川県金沢) | すずきBのブログ「B's Blog」 Powered by アメブロ

すし処めくみ(石川県金沢)

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新年、明けましておめでとうございます。

今年も、当ブログを宜しくお願いします。


年末年始の更新、完全にサボっておりました。

金沢鮨めぐり、長野での年越し~初詣、

年明け早々の静岡(実家)帰省、

法多山(袋井市)での厄払い、

3日の同窓会、その流れで浜松~磐田で、

東へ西へと飲み屋めぐりを同級生と初めて経験(笑)。


そんな今日この頃、

年末の金沢、鮨ツアーについて振り返ると…

ちょっと恐怖で震える。


行きの飛行機、石川県、小松空港上空で、

自分たちが乗っていた飛行機に、

何と雷が落ちた。

その瞬間、ものすごい衝撃で機体が揺れ、

目の前が、映画の爆破の瞬間のように真っ白に。


過去、上空で急降下や揺れ、稲光は体験したことがあるが、

初めて、「あ、この飛行機、落ちるかも」と思った。


で、機内アナウンスも、明らかに尋常じゃない動揺ぶり。

こんな時、人は何を思うのか。

僕は、「とりあえず家族全員、いま一緒で良かった」と思った。

死ぬのは一緒だと。

すると人は冷静になれる。


親や知人に、「遺書を残さねば…」。

が、書くものがない。

よぎったのは、「911」の再現ビデオ。

手元の鞄にあったデジカムを出し、

本当は使ったらダメなんだろうけど、

僕らが墜落したあと、今後の参考材料になればと、

こっそりデジを回し始め、両親や友達へ、

メッセージを残そうと考えた。


RECを押す。

が、何を言ったらいいか言葉が出ない。(動揺してんじゃん)

そんな恐怖の時間ののち、

結果、無事着陸できたが、その後、

航空関係者に聞いたところによると、あの機体は黒焦げで、すぐ修理に

出されたという。

マジであわやの体験だった。


で、あとで自分が回した映像を見たら、

無言のまま、不思議な機内アナウンスがだけ残されていた(笑)


そんな恐怖体験で始まった金沢ツアー。

空港にやっとのことで降りると、そこは大雪。

レンタカーを借りるも、雪で大苦戦。

まず向かったのは、日本三大庭園の1つ、兼六園。

雪の兼六園は、かなり風情があった。


さて金沢の鮨である。

「鮨王国、金沢」と呼ばれ、

北陸最大の、鮨の激戦区。

街を走っていると、いたるところに鮨屋の看板が目につく。


歴史をひもとけば、加賀百万石、前田家の城下町、

北陸の港も近く、昔から、

あのあたりには、いい魚といい料理人が集まってる、と言われる。


そう言えば、僕のグルメ師匠、G氏は金沢出身で、誰よりも鮨にうるさい、

そして、和の鉄人、道場六三郎氏も石川出身、金沢で修行、

世界のパティシエ、辻口シェフも石川出身。


そんなことを思いながら向かった最初の鮨屋は、

知人の鮨通が、今鮨を食べるならここ!と絶賛していた、

「めくみ」。


金沢からは外れた野々市。

田園風景も広がり、家が雪景色の中にポツポツある感じの場所に、

突如、看板が現れ、矢印に従うと、

駐車場付きの一戸建て鮨屋が現れる。


横長い大きなのれんをくぐると、

L字のカウンターのみ。

思ったより小さくて、落ちついた雰囲気。


もう終わりの時間で、我々が貸し切り状態。

つけ台の前には、朴訥とした、小柄なご主人、

テキパキと動く奥さまから飲み物が出され、

静かに、その舞台は始まった。


最初は、北陸の定番、ひらめの握りから始まり、
丁寧にシゴトされてるヤリイカ。

甘海老は、昆布〆してあり、甘くて濃厚。


口の中で、ホロホロとほどけるシャリが、

ネタを邪魔しない程よい甘さで美味し。

色はほんのりロゼ色でつややか。

聞けば、中赤酢と呼ばれる優しめの赤酢だそうだ。


これが石川産の純米酒「獅子の里」と、

とろけるように合う。
そう赤酢とは、粕酢とも言われ、酒粕から作られるから。


そして、期待どおり出て来た、コウバコ蟹。

越前蟹のメスは、この時期ならでは。

内子と外子の食感と甘みが、絶妙に身を美味しくしてくれる。


12月は、海がシケ、獲れ高が悪い。

しかし、今日はたまたまいいネタが揃ってるという。
理想は11月がベストだそうだ。
ちなみにブリもそう。


今日のブリ。

氷見でなく、能登産。

ご主人いわく、産地より、実は誰の船から買ったかが重要。

活き締めが出来る漁師から買うべきで、

たとえ氷見産でも、

活き締めができない漁師の魚(野締め)だったら味は落ちるという。


煮はまぐり、あなご等、ホクホクで美味い。

いくつか江戸前なネタが出たあと、
最後は、海老のすり身の香り立つ卵で〆る。

あっという間の時間だったが、完璧だった。

残念だったのは、一切写真を撮らせてくれなかったこと。


ご主人の話は、全て含蓄があり、納得だったが、唯一、

「写真は他のお客さんのご迷惑になるので」

とおっしゃりながら、心で「他のお客さん誰もいないのに」

と思った(笑) 


金沢に旅されたら、「小松弥助」とともに

行くべき一軒だ。

いや、この鮨を食べに金沢に行くのもいいと思う。