寝台特急カシオペア(上野~札幌)
上野駅の売店で、ワインやビール、ツマミをあれこれ買い込み、
遠足へ行く子供のようにはしゃいでいる大人がいる。
僕である(笑)
あの駅あたりで、これを飲もう、これをツマもう、
この本を読もう、そんな計画を立てている。
15:35
上野駅13番ホームが、どの駅のホームよりも輝いて見えた。
そこに、憧れのカシオペアがゆっくりと入線。
恥ずかしげもなく写真撮影(笑)
アラフォーのおっさんが、子供になれる瞬間かもしれない。
そして、6号車14番個室、カシオペアツインの部屋の中へ。
ほう。
なるほど、ダブルデッカー(2階建)の階段を降りる、
下のフロア。
ブルトレのA寝台個室より4倍くらい広い。
窓もでかくて気持ちがいい。
早速ビールで出発を祝う(笑)
なんだそれ。
でも、誰もがそんな気分になれる。
カシオペアの出発は、なんだか出航に似ている。
船の中にいるような気分。
大宮、宇都宮を過ぎ、郡山あたりで
窓の外は暗くなっていく。
シャワーを浴びたり、
車内をうろうろしたりしてるうち、
20:00
予約していたディナーの時間。
揺れながらのフレンチは、
何とも不思議な気分。
十勝ワインが、思うようにグラスに注げず、
こぼしちゃったりしてコントのよう(笑)
料理は、グラスに入ったオードブルから。
北海道産のアスパラやホタテ、蟹などがふんだんに
入っていて、美味。
さらに魚料理は、ヒラメの湯葉包み蒸し、
バジルのムスリーヌ添え、青森産ニンニクのクリームソース。
これが実によく出来ている。
やるじゃん、NRE(日本レストランエンタプライズ)。
さすが、上野「精養軒」がルーツなだけあるな。
21:00
先頭のラウンジカーで食後の一杯(笑)
外は真っ暗だが、たまに車窓から見れる駅の看板に、
徐々に東北へ来ていることを感じる。
けん引機、EF81との接続部分も見ることができる。
3:00
青森で牽引車両が交換され、ラウンジカーは最後尾に。
ここに上野で買ったワインを持ち込み、青函トンネル突入の瞬間を確認(笑)。
津軽海峡の海底を走りながら飲むカベルネがやけに美味い。
3:46
青函トンネル54キロを通過し、北海道上陸。
地上に出た瞬間を確認し、就寝。
電車旅は、この、日本列島を肌で感じれる瞬間がたまらない。
グーグルアースで地形を確認すると、
なおゾクゾクする。
わかるかな~?(笑)
目が覚めると、外は海。
津軽海峡冬景色な感じ(笑)
網が干してあり、明かに漁師町。
函館あたりにいることを感じながら、ボーっと車窓を眺める。
土の色、海の色が、完全に違う。
北海道を感じながら、朝食前の一杯(笑)
つまみは、カシオペア弁当(笑)
6時、朝食。
さっき食べて、また食べるんかい(笑)
食べねば。
カシオペアの朝食こそ、
食堂車の醍醐味。
車窓から、内浦湾を眺めながらの朝食は、
なんとも気分がいいもんだ。
なんてことないスクランブルエッグが、
やけに美味く感じる(笑)
そして、「津軽海峡冬景色」の歌詞が
頭の中で流れるが、2番って、どんなだっけ?
携帯で確認…なるほど。
阿久悠先生は天才だ。
9:00
そうこうしてるうちに、札幌駅到着。
あっという間の17時間。
ある人は言う。
「飛行機で行けば1時間半なのに、
なぜ17時間もかけて……
17時間もあれば、海外行けるのに」
と。
しかしカシオペアは、移動ではない。
電車に乗ってる時間そのものが目的地。
言うなればディズニーランドを満喫しながら
気づいたら札幌に瞬間移動してるようなもの。
時空を超える感覚があるので、
僕には、なんだか得した気分なのだが。
PS
この後、我々オフィスB社員旅行一行は、
スーパーカムイに乗り換え旭川へ。
ラーメン村でランチをし、
午後の旭山動物園へと向かった…。