サモワール(三宿)
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「おくりびと」がアカデミーを受賞してから、
どの会議もその話題でもちきり。
そして、高須さんや、中野さん、そーたにさんや、都築さんや樋口さん、
薫堂さんと同世代の作家さんたちのブログを見ると、みんなが触れていて、
誰もが、心から称賛している。
高須さんが言っていた。
ブレないこと、らしいことが大事だと。
確かにそうだ。
あの脚本は、1つもブレてない。
薫堂さんらしいことが満載だ。
そんな今日この頃。
賞をあげたいお店が三宿にある。
そこは、夫婦二人で、ひっそりと営んでいる、ロシア料理の店。
かつては渋谷の円山町にあったのだが、
一旦閉鎖し、復活した店。
僕は、あるドキュメンタリーで見て以来、
ずっと気になっていた。
僕の食仲間の石神くんやV6N君も絶賛していて。
うちの社員の一人が、
わけあって、ずっと外食できていない。
たまにはどこかで食べさせてあげたい。
とはいえ、あまり遠くも大変だし。
ってことで、近所のサモワールである。
電話で、ぶっちゃけ相談してみた。
普通なら通らぬリクエスト。
だが、早い時間ならいいという。
レストランというのは、料理だけでなく、
お客に楽しい1日を提供するのが使命、みたいなところもある。
だとしたら、このお店は、こちらの普通なら叶わぬリクエストも
かなえてくれる、ただそれ1つとっても、優秀な1皿を与えてくれた、
そんな気がした。
元牛乳屋を改装したという店内は、
ロシア人形が飾られていて、
すごく温かみがあり、レトロな空気が何とも落ち着く。
まだ誰もお客のいない店内で、
ホクホクでアツアツのピロシキをほおばる。
あんな美味いピロシキを食べたのは初めてかも。
皮がパイ生地のように、サクサク。
写真は、キエフ風カツレツ。
決して海老フライではない(笑)
鶏の胸肉の中にバターやチーズが入っていて、
衣をつけてあげたもの、そこにデミグラスをトロリとかけて
いただくのだが、
初めて食べるのに、どこか懐かしい味。
驚きは、壺に入って出てくるシチュー「ジェルコエ」。
冷めないよう陶器の壺に入ってて、
パイでふたをしてある。
デミグラスで煮込まれた肉厚の牛肉は、
ほろほろと、スプーンで軽くほぐれるほど柔らか。
2週間かけて作るという。
1950年に渋谷恋文横丁で産声をあげてから、
場所は移れど、ずっとこの料理で、やってきてるという。
まさに、ブレないこと、らしいこと。
僕はこの店に、賞を与えたい。
わがままを聞いてくれてありがとう賞。
なんだそれ(笑)