麺工房・丸屋(静岡県・磐田市) | すずきBのブログ「B's Blog」 Powered by アメブロ

麺工房・丸屋(静岡県・磐田市)

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故郷に帰省。
というか、一応、出張。

知り合いのディレクターがテレビ静岡で働いていて、
彼が担当する、「テレしず通りパロパロ」って番組の、
取材を受けるため。

昨今の、静岡B級グルメブームや、
ご当地料理で町おこし的な動向について、
僕なりに答えさせてもらった。
恥ずかしながら。

カットされなきゃ、オンエアされるはず。
地元の皆さん、10月18日(土曜)お昼、テレしずをご覧ください。

さて、帰省した理由はもう1つ、地元ハチマンサマの祭り。
正しくは、「府八幡宮祭典」。

僕は、幼いころから、このお祭りの太鼓(お囃子)と、
屋台と、ネリで育った。

屋台って地元では言うけど、本来これ、屋台じゃなく、山車(だし)なんだよな~。
東京に来て気づいたけど。

あと、練りって、東京じゃ意味わかんないでしょ?
なんていうんだ……
押しくらマンジュウみたいに、ぶつかり合って、
浜松なら「ヤイショ」、磐田なら「シチャシチャ」とか、「タシタ~」みたいな、
決まりの叫び声を発しながら揉みくちゃになること。

練り……東京で絶対、伝わらない。
意味不明でしょ。
これで育ったんです。

しかも僕は、祭りの神童と呼ばれていて(笑)、
本来、高学年か中学生がやる大太鼓を、
僕は小1で全て叩けた。

「大間」だったら、ドドンガテケテケ、ドドンガ、ドンガ、ドンガテケ……
みたいなリズムを初段から3段まで覚えなければ
やらせてもらえない。

僕はそれを、何曲も(屋台下も、馬鹿囃子も)、できた。

たぶん地元以外の人には意味不明だろうけど、とにかく太鼓の記憶力が
優れてたのが自慢(笑)

で、十何年ぶりに祭りを見に行ったのだが、
記憶ってすごいもんで、
その小1のとき覚えた大太鼓を、今も完璧に覚えてた。
太鼓と笛のリズムを聞くと、なんだか記憶が蘇り、
血が騒いだ。

そして、町はどんどん変わっていくが、
お祭りとか、お囃子ってのは、何十年たっても、全く変わってないことに、
感動してしまった。
当たり前なんだけど。

昔がよみがえったら、
食の記憶もよみがえり、
幼いころ、出前でよく食べていた、ラーメン屋を思い出した。

それが、僕が育った二之宮ってとこにある、「丸屋」。
当時住んでいた二之宮から、うちは引っ越してしまったので、
すっかり忘れていたが、
30年ぶりぐらいに行ってみたら、
「丸屋」に、「麺工房」という名前がついて、
まだ健在だった。

当時、真っ黒い顔でバイクで出前していたご主人は、
残念ながら他界していたが、
そっくりな息子さんが、後をついでいた。

都市整備で、あたりの景色も、店構えもすっかり変っていた。

しかし……
出てきたラーメン(当時は中華って呼んでたが)、
それは、当時と変わらぬ、あの味だった。

当時は、何のダシとか、わかっちゃいなかったが、
記憶ってすごい。
完全に、よく出前してた「丸屋」の味だと確信できた。

やや硬めの卵麺で、
鶏がら、豚がらの優しくてうま味たっぷりの醤油味。
特にチャーシューが、まんま、当時の味。

遠くから聞こえるお祭りのお囃子…
噛めば昔食べた、あの味…
気持ちが、完全にタイムトリップし、
ラーメン一杯で、涙が出そうになった。

いやあ、思わぬ帰省で、
思わぬ発見。

幼いころの記憶って、
意外としっかり刻まれているもんだ。

最近は、すぐ忘れちゃうのにな(笑)
チャンチャン。