書き出しますと、
今日は止まらぬようでございます。


四季の美。
たとえば、花。
それなくしては成立しない作品の魂。



花郁悠紀子さん、
遺された作品に花は語ります。



「菊花の便り」
父は、
息子はきっと自分を選ぶと
自信がありました。

だから声をかけなかったのです。



心を病む母に
息子は寄り添います。

父を慕いながら、
それを告げることを己に禁じた息子は
思いを綴りました。

菊慈童の物語が
静かに重なります。


「白木蓮抄」
洋館と白い花。
見つめる少女は一話ごとに大人になってゆきます。
洋館の主は変わります。

異国の青年


戦争は終わりました。
そして、
洋館の主は異母兄弟となりました。

混血の少年志鶴、
病弱な兄の栄、
相容れぬかの二人の真の心情は、
少女を大人にいたしました。



そして、
華やかな舞台女優という過去と、
娘を亡くした過去とを持つ老婦人。


鬼気迫る絵ですのに、
その哀しみが
切々と伝わりました。


花郁悠紀子さん、
1980年12月12日、
お亡くなりになりました。
四十年という時を経てなお、
花というと
思い浮かぶお方でございます。


画像はお借りしました。
ありがとうございます。



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