NHKが
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横溝正史短編集を製作しています。
NHKは
江戸川乱歩作品のドラマ化もしています。
浮かぶ言葉は
耽美ではございます。
水飴の大鉢をドンと前に置かれたみたいな映像と音響だなー
と
感心いたします。
忠実な映像化でございますから
言葉を下敷きにしています。
NHKですから直接的表現はございません。
が、
その間接的な表現が水飴でございます。
妻なり、
愛人なりを養成しよう
障子を破っています。
言葉にはないので、
子どもが大人に甘えるという表現でしょう。
舌はかなりドキッといたしました。
口にかかわるものは、
ひどく人の心を騒がせます。
今度は音なのですが、
二人の夜での妻を語る
そこに
ししゃもを咀嚼する音が
ひどくゆっくりと流れます。
ずるっずるっと聞くものの耳に流れ込む感じです。
で、
だから私たちの夜の肢態には、
ふつうの愛人同士では経験できないような、
味の濃いものがありました。
となります。
口に関わるものは
あからさまに見えているものながら
人の目をそらさせる働きがございます。
咀嚼する音は
その目をそらさせる〝味の濃いもの〟を想起させる働きが
あるように思います。
推理の流れは
もちろん大切な推理小説です。
そこはト書きのように淡々と語られます。
それもしっかり聞かせられます。
が、
何と申しますか
それが劇を見ているように
ガラス板の向こうに感じます。
いや劇見てるんだぞと言われそうですが、
一般にドラマは
劇に引き込むように作られます。
この作品は
人を劇場の椅子から動かしません。
舞台の人物に添わせるなどという働きは決してしない。
耽美に観客は必要でございますが、
それは現実を生きる観客とは
まったく違う世界にあるもの。
そういうことなのかなと思いました。
画像はお借りしました。
ありがとうございます。
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