プリンス・アイス・ワールド
その照明に
また群舞の迫力と物語に
酔いました。


そして、
ボレロには、
格別の思いをいただきました。


共通して
そこに舞台を観た
という感想です。



めっちゃ好みの空間。






氷上に
描き出される光と影も
また
氷上に投げ掛けるライトの放射も
その広がりと角度まで
舞台世界に融合しています。



これは
ファンタジー・オン・アイスにはない。
一つのチームの存在が大きいと
感じます。



登場の瞬間までが
舞台表現の一部ですし、
背後のスクリーンはスケーター紹介にも役立ちますが、
舞台世界の一部ともなります。





かねがね
プロとなられてからの演技に
演者としての凄みを感じてきた安藤美姫さん。


ご自身で振付なさった
ご自身の生き様を重ねるナンバー。

This is me

群舞の迫力にも
呼応する安藤さんのソロにも
魅了されました。





バックではない群舞!
それを
様々な技術で楽しませていただきました。


そこは舞台。
舞台でした。



そしてボレロです。


町田さんご自身の解説を
別の番組でも
伺いました。




まだ
リンクなどない時代
氷結した湖。

未明、
男は湖の氷上に立ちます。






呪術的。
トレースで幾何学紋様を刻むことに
その効果を意識なさったとか。


指先まで様式化した
抽象的な表現も
同じ効果を思われてのことでしょうか。





己を虜にする何かが
その男を
下肢から上半身へと
うねるように昇っていきます。



ジョルジュ・ドンのボレロに
そこは通じます。


突き上げてくるそれは
踊り手を支配し
さらに大きくうねりは膨らみます。





未明の湖は
東からの曙光に明るみ始め
男はコンパルソリーでは収まらない
激しい
それでいて
様式化された動きに取り憑かれていきます、


滑る
踊る

その魅惑が男を燃え上がらせる。





日は昇ろうとしています。

その陽光は
もはや金色の矢となって
湖に差し初める。





恍惚とした表情


バックのカーテンは
滑り出す男の背後で揺れます。


象徴的なものを感じました。






もう男は
考えない。


湖の下に広がる水。
薄氷が割れた先の深淵。







ただ踊ることだけに捧げられた魂。



半世紀以上も前に織られたタイシルクの帯は、
男に秘められていた何かを象徴しているのでしょうか。





光のただ中へと
飛び込むように男は舞います。





光の矢の中に
クライマックスは訪れ、






両手を天へと差し伸ばし





まるで
割れた氷に呑まれるように
瞬時残像を残して


舞台は闇へと転換します。



凄かった。
拝見できて幸せです。



画像はお借りしました。
ありがとうございます。


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