この小説は純粋な創作です。
実在の人物・団体に関係はありません。






黒猫物語 聞こえる喘ぎに
2016-01-15 05:36:22
テーマ:クロネコ物語



今夜は
武藤君がいる。
うーん
二人がどうしたいかね。




部屋に入れば
敷かれているお布団。
一応二組敷かれてるけど



さあ
どうする?





瑞月は
当然のように
佐賀さんの布団に
入る。



入るやいなや
布団の下に潜り込む。




あら
仔猫の首つかみ?
引っ張り出されてる。



「何するの?!
   海斗の意地悪」


『武藤がいる。』


「だって!」


『丸聞こえだ。
   俺は構わないが
   分かってるか?』


「声出ないようにする。」


『猿轡を噛ませた瑞月を抱くのか。
   そそられすぎて
  俺は怖いな。』


「じゃ
   声出さない!」


『出来るものか』


「出さないもん!」


『やってみろ』



5分後には
瑞月の
甘い悲鳴が廊下に響いてた。



佐賀さんは
瑞月の背を撫でて
よしよししてた。



「海斗のばか
   意地悪」

拗ねた瑞月の機嫌を取りながら
佐賀さんは
なんとかかんとか
恋人を寝かしつけた。



うーん
たぶん丸聞こえね。



武藤君
どうかしら。
あなたは大した子だとは
思うけれど
何を感じてるかしらね。






佐賀さんが
瑞月を泣かせている。



喘ぎが
どんどん甘くなり
あっ
あん
やたらに可愛い短い声が聞こえてくる。



なんて可愛い声
どこを
どうされて
泣いてるのかな。



やってみろ
かあ。



ああ
切なそうな声が聞こえる。
佐賀さんの勝ちかあ。



「海斗のばか
   意地悪」

瑞月
拗ねてるのかい?

『怒るな。
   可愛い顔をするから
   いけない。』


「知らない。」


『可愛い』



キス?
なんかキスですか?
キスしてますよね佐賀さん?

し、湿った音がする。



『お休み
   いい子だから。』


「海斗なんかキライ
   ずるいんだから。」


『シーっ
   お眠り
   明日は早い。
   動物園に行くんだろう?』


「うん……」


『いい子だ』



いい子だ
いい子だ
……………………。





瑞月が声を出せるのは
俺を無視とかじゃない。
全てを無視なんだよな。



周りを見ないし
見えない。



自分を見詰める自分が
まだ確立してない。
そこが
危ういまでに未成熟で
剥き出しなんだ。



不思議な子だ。
賢さと幼さが
同居している。



なんらかの外傷性トラウマがある?
………………。

誰かに守られる必要が
とても高い子なんだろうか。





自分の思い通りに抱いてもらえなかった。
声を我慢する勝負に負けた。

その二つに拗ねてる瑞月が
とても自然だ。
幼く
他との関係性を
取れない魂を感じる。




佐賀さん

この
イチャイチャ生放送のお陰で

あなたが
どんな覚悟で
この子を抱いていたか
丸わかりです。



抱えきるためだったんだ。
たぶん間違いない。

親じゃなければ支えられないところに
体から踏み込んでいる。



恋人として始まる前に
保護者として始まってたんだ。

それが
よくわかりました。




とても可愛い瑞月の声。
牽制としても
効果は最大でした。




瑞月は
あなたのものです。
何より
あの声と姿を前に
理性を保てる凄さを
尊敬します。



俺はあなたじゃない。
だから
さっきの声で
すっかり
やられました。



瑞月の乱れる姿と
あのリンクでの演技が合体して
脳内はパンクしてます。

もう何回熱く固くなったか。
妄想だけでいけてしまう。
どうしてくれんですか。



佐賀さん
よく
しれっと
寝られますね。


画像はお借りしました。
ありがとうございます。