この種純粋な創作です。
実在の人物・団体に関係はありません。








心頭滅却してね
2015-11-04 20:19:32
テーマ:クロネコ物語




うちの坊やは
早寝早起きになった。



サガさんに付いて行きたかったみたい。


ひとしきり
甘えたりショボンとしたり
仔猫なりに頑張ったが、



『早朝の学習は効果が上がる。
レポート作成にあてろ。』



と言い置き、
サガさんはランニングに出た。





体は弱い子だ。
付いて来たがるのを見越して
昨夜のうちに
無理させないよう
スケジューリングしたわけだ。




そして、
彼よね。


サガさんがいない間に
一人でやらなきゃならないことは
終わらせる!



ま、
大事よね。
二人の時間確保は。



驚異の集中力!

偉いわ坊や。
なにせ「サガさんの一番になりたい!」んだから
頑張らなきゃ。




早起きすれば
出掛けるまでに余裕ができる。
どんな日課が始まるかしら。




はい
サガさん戻りました!
素早い着替えとシャワー10分
仔猫は勉強



はい朝食調理15分
仔猫は勉強




そろって朝食です。



『スープから食べろ。
ゆっくりでいい。』

「うん。」



彼はホントに食べないの。
いつもはね。
じゃなかった、これまではね。



ホントに一生懸命ゆっくり食べてるわね。



『どうだ?』



「……おいしいよ。

なんか他のも食べられそう。
あ、
オムレツに入ってるのは何?」



『匂いは緩和させてある。
食べればわかる。』



「……………………。」



赤と黄色の小さな点々か。
頑張ろう!坊や





お待ちかねの自由時間だ。



ここからが
仔猫ちゃんの巻き返しね。



大甘の狼さん、
だいじょうぶ?




「レポート終わらせたよ。」

『見せろ。』



タブレットを抱えて
サガさんの右肩に寄り添う。



サガさんの右腕は
彼ごとタブレットを抱える。


つまり
サガさんが
タブレットごと
彼を胸に抱くスタンスだ。




「ね?」

頭を反らし
サガさんの肩に預けて問う。




うーん、迷うわね。

目の前に白いうなじが見えてるのと、
耳元に息がかかり
極上の笑顔で見上げられるのと、

どっちが
マシかしら。




とりあえず
朝の宿題点検ルーティンは確定ね。





『わかった。
課題は終了だ。

だいぶ時間がある。
音楽でも聴くのか?』




「少し寝たい。
サガさんは読書でしょ?」



『ああ。』



「あのね、
サガさん
ソファで
僕と寝て欲しいんだけど。」



『………………。』



「横になっても読めるでしょ?」



『………………。』

はい。朝のくつろぎルーティンも確定よ。





サガさんの身長は190ほどだ。

大きめのクッションに
上半身をもたせかけ
反対側のアームに脚を載せて
サガさんが横になる。



彼はサガさんの脚に
脚を絡ませて
その胸にすっぽり収まる。



耳を擦り付けて
彼は囁く。



「サガさんの心臓の音が聴こえるよ。」


抱きついて寝る彼を
胸に載せたまま本を開き、
サガさんは読み始める。



「サガさんが起きると、
僕も起きちゃうからさ……。」

フニャンとした甘い声が
眠そうに呟く。


スー スー …………。






サガさん
その絡まってる脚は
ほどきたいところよね。


ま、
無理だけど。



その読書、
般若心経とかにしたら
どうかしら。



心頭滅却できるかもよ。


画像はお借りしました。
ありがとうございます。


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