猫は風呂場で思う
2015-10-14 23:52:16
テーマ:クロネコ物語

この小説は純粋な創作です。
実在の人物・団体に関係はありません。









浴槽を見下ろせるコーヴに寝そべり
私は彼を見つめている。

脱衣場で
私は
足元にうずくまり
彼を見上げた。

Tシャツを脱ぐ腕。
スウェットから抜き取る脚。

彼を動かす筋肉は
些細な動きも
全身に伝わる。

背中には2枚の翼が
浮き出たり
沈んだりする。

二つの山の谷間は狭く
キュッと引き締まり、
筋肉の動きを浮き上がらせる。

彼の男性は
静かにそこにある。

猛り立つときを
私は
まだ見ていない。


今、
彼は、
イヤホンを着けて
音楽に夢中だ。

両腕を頭の後ろに組み
浴槽に横たわり
気持ちよく
歌っている。

人の肌は上気する。
なんて汗。 

うっすらとピンクに染まる肌
目が吸い付く。

汗は
額から頬へ
頬からあごへと
流れていき
玉となって滴り落ちる。

眉をひそめ
首を振り
気持ちよく歌い上げる彼。

見ている私も嬉しくなる。
だって
楽しそうだから。

どんな彼も素敵。
どんな彼も見ていたい。

もう上がらない?
私はあなたにキスしたい。










画像はお借りしました。
ありがとうございます。



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