住宅建築にたずさわり、35年以上になりますが、当初の頃は、建築基準法や都市計画法、民法などを考慮して、隣地との建物との間隔や、建ぺい率や容積率の範囲内か、斜線制限はどうか等をチェックして、プランを作成して、お客様と打合せをして、設計、建築工事をしていました。
しかし、住宅建築では、建築上の法律とは別の、プロとしては覚えておかなければならない、法律以外のことがたくさんあり、これらのことを打合せ時に、事前に、お客様に説明をしておかないと、とんでもないトラブルになってしますことがあります。
このようなことは、学校でも、どこでも教えてくれるところが無く、お客様から問題提起をされたり、職人さんからしかられて、初めて、やってはいけないことだったのかと知り、かろうじて、難を逃れたりしました。
良くぶつかるのが、家相です。
家相の中で、打合せで、よく言われることは、表鬼門・裏鬼門です。
この方位に、便所があると、家運を妨げ、病人が絶えなく、神棚があれば、神威を損じ、仏壇があれば子孫断絶するなどと、恐ろしいことが起こると言われるので、事前に、当事務所の「家づくり設計調書」の中で、家相を気にするかを記載していただいております。
家相は、その家に長く居住する建築主にとっては、その家の家相が悪いために、不幸がやってくるとか、たまたま、家を建ててから、すぐに、病気でもなれば、トイレが鬼門の位置にあるからだと言われると、家づくりをした自分が加害者になったような気分になり、また怨まれてしまったら嫌なので、広く一般的に言われていることは、避けておく必要があるし、また、避けられない場合などは、お話をして、了解を得るようにしています。
建築主が若いご夫婦の場合で、家相など気にしないと申し出られているので、その気でプランニングをすると、後で、年老いたご両親が出てきて、玄関↓、トイレが鬼門にある家なんて言い出すと困るので、出来るだけ避ける方がトラブルを少なくします。
特に困るのが、新築祝いなどで、心ない親戚の方が、「家相の悪い家だ。」とか言い出すと、お祝いが台無しになってしまいます。
家相の決りは数多くありますが、気にしておき、避けられない場合は、事前に話しておいた方が良い項目は、
①表鬼門・裏鬼門のトイレの位置、東北、西南方向にトイレを設置することは、病人が絶えず大凶とされる。この項目は、多くの人が知っているの要注意です。
まして、プロが知らないとなるとアウトです。
昔と違い、現在では、水洗トイレですが、気にする方は気にします。
②東南(辰巳の方角)方向に、門や玄関があると、富貴を招くとして、大吉とされるので、特に、事業や商売をしている方は気にします。
③住宅が、東の方向へ少し張り出し(大きく張り出しのはダメ)ているのは、富貴長久、子孫繁栄、家内長寿され、辰巳(たつみ)の張りとされ、大吉相です。乾亥(いぬい)(西北の方位)は、これに次ぐ、吉方位です。
④門を入って、まっすぐ正面に玄関の入り口があるのは、家運が衰えるから、少しでも曲げたアプローチにする。
そのほかにも、乾亥(いぬい)蔵と言われ、西北の方角に倉庫や蔵があると蓄財するとか、南側の池は、大凶で、病人絶えず、困窮失敗する等とありますが、①~④は、今でも、話題に出る事項ですので、知っておいた方が、さすがプロは違うとみられます。
最後にどうしても、プラン上や敷地の制約上どうにもならない場合は、厄除けの方法が有り、関東の場合は、寒川神社の厄除けのお祓いとお札により、それらの災いを免れるという、都合の良い方法もあることも知っておく必要があります。
(お札による、厄除けがあるなら、これで、全部解決だ--と、思うのですが、現実は、そううまくいきませ---ん。(-_-;)
神棚や、仏壇、ガスコンロ位置、勝手口などまで、家相についてはあるので、八方除けのお札に助けていただくことも覚えておいて損はありません。
家相は、建築主はもちろんですが、取り囲む両親、親戚など関係者によっても、判断が大きく異なります。
次は、建築には、様々な約束事が有り、これを守らないと、不吉とされたりして、住宅建築にたずさわる者として、常識的にこれを知っていないと、ダメな事項を記載します。
お楽しみに。
株式会社スズキ建築設計事務所
取締役相談役 鈴木 明
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